ヴァイオリン

ヴァイオリンは弦楽器の一種で、ヴァイオリン属の中で最も小さく、最も高い音域を出せる楽器です。表板にはスプルース(西洋の松)、横板と裏板にはメイプル(かえで)が使われています。
声楽ではソプラノの音域にあたるこのヴァイオリンという楽器。はっきりとした起源、発明者はわかっておりませんが、7,8世紀ごろに擦弦楽器の一つとされるレベック(Rebec)などが段々と改良され、15世紀の末期にはビオール(Viol)という楽器が出来ます。そしてそれがイタリアのガスパロ・ダ・サロやアマーティにより現在の形になったといわれています。
また16世紀中ごろには、現在のヴァイオリンとほとんど変わらない、高度に完成されたヴァイオリンが出来上がっていたとされています。
その後17世紀以後、イタリアクレモナの黄金時代にはアマティ、アントニオ・.ストラディヴァリ、グァルネリなどの製作家たちが活躍し、その時代のヴァイオリンは現在でも、「名器」として受け継がれています。

ヴァイオリンの種類 CATEGORIES

ヴァイオリンはたくさんのブランドがありますが製作された時代や製作国で大きく分けることができます。年代ではオールドヴァイオリン、モダンヴァイオリン、コンテンポラリーヴァイオリン(新作ヴァイオリン)、工場製ヴァイオリンなどがあり、国別ではイタリア、ドイツ、フランス、ヨーロッパ諸国、日本、中国などが代表的な製作国としてあげられます。

オールドヴァイオリン

オールドヴァイオリンは1800年以前に製作された楽器です。個性的なメーカーが多く存在しますが、名器と呼ばれるヴァイオリンの多くはイタリアで製作されました。まさにイタリアはヴァイオリン発祥の地であると言えます。代表的な製作者は皆さまもご存じのアマーティ、ストラディヴァリ、グァルネリ・デル・ジェスなどでしょう。
この時代、聖地クレモナのストラディヴァリとグァルネリを中心としイタリア各地に多くの名製作者たちが生まれます。そして彼らを中心としたファミリーが次々と名器を生み出していきました。
「銀色の響き・シルバートーン」と呼ばれる美しい音色がまさに代名詞でもあり、芸術品としても非常に高く評価されています。
色鮮やかな表現力と豊かな音量を併せ持ち、別格の響きを持っています。一流のプレイヤーにとって、この時代の楽器を持つことはステイタスにもなることでしょう。

モダンヴァイオリン

ストラディヴァリやグァルネリの時代から少し経て、1800年以降に製作された楽器がモダン・ヴァイオリンと呼ばれています。区切りは明確ではありませんが、現在ではある一人の製作者を境にその後の時代をモダンと区切っています。後世のストラディヴァリと呼ばれている名工、プレッセンダです。このプレッセンダ以降、北イタリアのトリノ、ミラノを中心にヴァイオリン製作は発展していきます。現在の研究ではこのプレッセンダ以降1945年頃までに製作されたものを一般的にはモダンヴァイオリンと呼んでいます。
この時代は多くの聴衆の前で、よりパワフルに楽器が鳴るように工夫も加えられました。特にモダンの時代はストラディヴァリやグァルネリなどの名器の研究が進み、それを超えようと多くの製作者たちが切磋琢磨し凌ぎを削った時代でもありました。

新作ヴァイオリン(コンテンポラリー)

1945年以降、現代において製作されたヴァイオリンです。現在はさまざまな研究が進み、オールドヴァイオリンやモダンヴァイオリンの素晴らしさを現在の技術でいかに再現するかを追求して製作されています。ヴァイオリン発祥からの伝統と技術、ストラディヴァリやグァルネリの素晴らしさを引き継ぎ、今に伝えるために現代の製作者たちは切磋琢磨しています。イタリア、特に発祥の街であるクレモナに多くの現代製作家が工房を構えており、現在も活躍しています。
新作楽器は価格もお求めやすく、また楽器の健康状態も良いので安心して演奏していくことが出来ます。弾きこめば弾きこむほど音の響くようになり、反応も良くなっていきますので、自身で音を育てていく楽しみがあります。
完全に手工製作(手作り)である楽器はイタリア製が中心で、ドイツのマスターモデル製も手工品です。
細部まで繊細な作業がなされており、見た目にも、音色や響きも非常に美しく作られています。製作家によって製作レベル、価格はかなり幅があります。

新作ヴァイオリン(半手工製&工場製)

イタリアから、当時の芸術の中心であったフランスや工業が発達したドイツやイギリスに製作地は移行していき、そして大量生産も可能にした技術改革も発達していきます。現代の製作においてお求めやすい価格帯は半手工製、または工場製が多くなっています。
半手工製は音色、響き、弾き心地に関係する部分を手工で製作を行っており、粗削りなど大きな部分や音色にあまり影響のない部分などは機械で行います。どれだけ手工部分があるかで価格帯が違ってきます。
また工場製は製作過程のほとんどが機械で行われており、音質的な響きは手工製に劣りますが、大量生産とコストダウンが可能となりました。技術革新により、品質は均一化され安定した良質な楽器が提供されることが可能となり、全世界に安定した楽器供給が行われています。
半手工製や工場製はドイツ、フランス、ベルギー、ハンガリー、ルーマニア、チェコ、中国、日本などが製作の盛んな国です。

ヴァイオリンについて ABOUT

クレモナの名器

16世紀後半から18世紀前半にかけて、北イタリアの小都市クレモナはヴァイオリン製作の中心地になり、約2万個の名器が作られたと言われています。そしてクレモナのヴァイオリン製作家はそれぞれ一派を形成し、その技術は代々受け継がれていきました。有名な製作家はアマーティ、ストラディヴァリ、グァルネリ、カルロ・ベルゴンツィなどで、名器中の名器として知られています。これらのヴァイオリンは現代にいたるまで一流のヴァイオリニスト弾き継がれ、今でも多くの演奏家が、このクレモナの名器を愛用しています。

ヴァイオリンの素材

ヴァイオリンは木材でできています。主に、表板はスプルース(松)、裏板、側板、ネックはメイプル(楓)で作られています。
同じ種類の木材でも産地により、また1本1本でそれぞれ違いますし、木目によっては高級なものとして扱われています。木材は伐採され、乾燥させたものを使用しますが、この乾燥にかける年月によっても価格が違います。楽器の命である音の響きを良くも悪くも左右するのは木材であり、ヴァイオリンを形成する材質がまずは非常に重要になってきます。

世界最古のヴァイオリンとは

先祖とされる楽器と比較して、ヴァイオリンの楽器としての完成度は並はずれていました。しかも改良を重ねて徐々に完成されたのではなく、1550年ごろ突如として、最初から完全な形で誕生したといわれています。これはこの頃の絵画にヴァイオリンが描かれていることから推測されています。歴史に残っている最初期の製作者は、いずれも北イタリアの人で、クレモナで活躍したアンドレア・アマティと、サロという町のガスパロ・ダ・サロの二人。ちなみに、現存する世界最古のヴァイオリンは、アンドレア・アマティの1565年頃の作品です。