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『今昔物語』 米田裕也さん(Sax Player)

国立音楽大学 ニュー・タイド・ジャズ・オーケストラ
2001年 第32回大会出場
2002年 第33回大会出場(スイングジャーナル賞受賞)
2003年 第34回大会出場(優秀賞受賞)
2004年 第35回大会出場(最優秀賞/最優秀ソリスト賞受賞)
サックスプレイヤー

※2007年、第38回大会に寄稿された文章を当時のまま掲載しています。
 中学2年の夏、当時入部していた吹奏楽部の先輩に誘われ、足を運んだのがYAMANO BIG BAND JAZZ CONTESTとの最初の出会いでした。大尊敬する大学の先輩、本田雅人さんや池田篤さんの演奏を初めて聴いたのも同じ中学生の頃で、漠然とですが、いつか国立音楽大学ニュー・タイド・ジャズ・オーケストラに所属してコンテストに出るんだ!と想像していました。
 しかし!!ジャズを志して大学に入学し、リーダーになった3年生の頃は、メンバーが皆無でニュータイド存亡の大危機でした。その為クラシックを志して入学してきた心清らかな後輩達を、『如何に熱意を持って騙すか』がニュータイド存続の鍵でした。
 「そこの1年生の君、服装お洒落だね!どう?一緒にジャズをやってみないかい?共に熱い夏を過ごそうぜ!」 …謀略の限りを尽くして洗脳し、なんとかメンバーが集まりリニューアルしたニュータイド。新歓ライヴはなんとか乗り切ったものの、バンドの士気は勿論低く、辞めていく部員も続出!第34回のコンテストは、そんな采配の取れない状態で挑んでました。納得できる結果は無論出ません。非常に悔しい想いをした憶えがあります。でもこの想いがきっかけで、メンバー皆に次の夏を確実に獲りに行く想いが芽生えました。その為翌年の第35回は皆、見据えるものが一致しており本当に士気が高く、コミュニケーションの取れた良いバンドとなりました。だからこそ最高の結果に繋がったんだと思います。

 学生バンドにとって人間同士のコミュニケーションは、そのまま音楽に繋がるんじゃないでしょうか。大切なのは、今やるべき課題をどれだけ克服するか。ひとつ解決しても、また違う課題が見えてくる…。これは音楽だけではなく物事全般にいえる事でしょうが、常に課題に対峙していく事―それが、結果に繋がるのではないでしょうか。先を見据えながら、『今』を一番大事にする事。必ずや結果以上の何かが、自分達の中に残ります。

 卒業した今、メンバーは皆それぞれの道を歩んでいるけれど、あの夏に学んだ事は確実に『今』の後押しとなっています。ヤマノの夏…。そう、それは皆の原点であり糧となるのです。
 学生の皆さん、『今』を思い切り楽しみ、悩み、夏を謳歌してください。健闘を祈ります!

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