『今昔物語』 内野勝年さん(Tb)

1991年 第22回大会出場
1992年 第23回大会出場
1993年 第24回大会出場(TBSラジオ賞受賞)
1994年 第25回大会出場
(株) プリマ楽器勤務
※2004年、第35回大会に寄稿された文章を当時のまま掲載しています。
THE 35th YAMANO BIG BAND JAZZ CONTESTに寄せて
ドップリと浸かっていた大学学生バンド生活から、気付いてみるとすでに10年が過ぎようとしている。あの頃を振り返ってみると仲間とJAZZについて本気で語り、楽器の練習に明け暮れた日々が無性に懐かしい。何と言ってもそのバンド生活の”夏の甲子園”的な存在は、この『YAMANO BIG BAND JAZZ CONTEST』であった。
私の学生当時はバブル崩壊後間も無い頃で、世の中の景気は悪くなってきたとは言えまだまだ企業のパーティーやダンスパーティーなどでの営業演奏活動は花盛りだった。比較的演奏機会に恵まれていた母校法政のバンドだったが、このコンテストは全国で同じ志を持つ学生バンドの仲間達の前で1年に1度演奏できるという事は大きな意義があった様に思える。更に大学という垣根無く学生同士が音楽を通して交流できる切っ掛け作りにも一役買ってくれていた。
思い返すと’93年に中央大学のスウィングクリスタルのメンバーと共に神戸に演奏旅行に出掛けた事があった。ホテルに向かう途中、たまたま通りかかった三宮駅前で路上ライブをやっていた学生達が『YAMANO BIG BAND JAZZ CONTEST』のTシャツを着ていたので、声を掛けてみたら神戸大学のBIG BANDのメンバーであった。その後夜中までセッションしたという懐かしい思い出も『YAMANO BIG BAND JAZZ CONTEST』の取り持ってくれた縁であったと思える。
卒業後の私は少しでも音楽に関係する楽器業界に身を置きたいと考え、現在も楽器卸業の営業に携わっている。そんな中で最初から担当させてもらった山野楽器さんとのお付き合いは、『YAMANO BIG BAND JAZZ CONTEST』に出演させて頂いていた事が大切な経験として役立っている。
当時の私の仲間でも現在プロとして活躍されている方も多い。実際に仕事で御一緒させて頂く機会もあるが、『YAMANO BIG BAND JAZZ CONTEST』から巣立った演奏家の方々の今後の御活躍を期待すると同時に応援したい気持ちだ。
同じ楽器業界に身を置く人間の一人として、35年間という長い歴史の中で学生の音楽活動を支えて来られた山野楽器さんの活動に敬意を払うと同時に、今後更にJAZZや音楽の楽しさを経験できる学生達が増え続けてくれる事を願う。