第11回ヤマノ・ビッグバンド・ジャズ・コンテスト(アーカイブ)
開催概要
■開催日 1980年8月23日(土)、8月24日(日)
■会場 渋谷公会堂(東京都渋谷区宇田川町1-1-1)
■主催 株式会社山野楽器
■後援 スイングジャーナル
■協賛 TBSラジオ、山野ビッグ・バンド・サークル
■出場 全国学生ビッグバンドオーケストラ(30バンド)
■審査員 いソノてルヲ(総合司会者/ジャズ評論家)、大熊隆文(スイングジャーナル編集長)、岡本安正(TBSラジオ制作副部長)、川島重行(キングレコード制作ディレクター)、北里典彦(ブルーコーツ・トランペット)、瀬川昌久(ジャズ評論家)、三木敏悟(コンポーザー/アレンジャー)、森寿男(ブルーコーツ・リーダー)、山野政光(審査委員長) ※五十音順、敬称略
■特別審査員 GEORGE TAKUSHI、NOEL OKIMOTO、GEORGE OKIMOTO
■司会 いソノてルヲ ■アシスタント 中山恵美子
※敬称略
表彰
最優秀賞 立教大学 ニュー・スウィンギン・ハード・オーケストラ
優秀賞 愛知学院大学 スインギング・オールスターズ
優秀賞 早稲田大学 ハイ・ソサエティ・オーケストラ
スイングジャーナル賞 同志社大学 ザ・サード・ハード・オーケストラ
TBSラジオ賞 慶應義塾大学 ライト・ミュージック・ソサエティ
敢闘賞 近畿大学 P.K.U. アトミック・フォース・ジャズ・オーケストラ
特別賞 日本医科大学 ミッドナイト・サウンズ・ジャズ・オーケストラ
特別賞 日本大学 ブルー・スウィング・ジャズ・オーケストラ
最優秀ソリスト賞 岡本洋さん(Pf) 同志社大学 ザ・サード・ハード・オーケストラ
優秀ソリスト賞 近藤宰司さん(TS) 昭和大学 メディカル・オールスターズ
優秀ソリスト賞 都並清史さん(Tp) 立教大学 ニュー・スウィンギン・ハード・オーケストラ
優秀ソリスト賞 海野清和さん(Dr) 早稲田大学 ハイ・ソサエティ・オーケストラ
審査員賞 近畿大学 P.K.U. アトミック・フォース・ジャズ・オーケストラ トロンボーントリオ
奨励賞 中島教秀さん(Bs) 大阪大学 ザ・ニュー・ウェイヴ・ジャズ・オーケストラ
出場バンド(出演順)
8月23日(土)
1. 慶應義塾大学 ライト・ミュージック・ソサエティ
2. 成蹊大学 コンパル・サウンズ・ジャズ・オーケストラ
3. 東海大学 スウィング・ビーツ・オーケストラ
4. 神奈川大学 カレッジ・サウンズ・オーケストラ
5. 東京電機大学 コースト・ジャズ・オーケストラ
6. 早稲田大学 ハイ・ソサエティ・オーケストラ
7. 名古屋商科大学 ジョリー・フェローズ・ジャズ・オーケストラ(初出場)
8. 日本大学 ブルー・スウィング・ジャズ・オーケストラ
9. 日本医科大学 ミッドナイト・サウンズ・オーケストラ
10. 獨協大学 スウィンギン・キャッツ・ジャズ・オーケストラ
11. 上智大学 ニュー・スウィング・ジャズ・オーケストラ
12. 昭和大学 メディカル・オールスターズ
13. 国際商科大学 サウンド・メッセージ・フリー・バンド
14. 大阪大学 ニュー・ウェイブ・ジャズ・オーケストラ(初出場)
15. 近畿大学 P.K.U.アトミック・フォース・ジャズ・オーケストラ(初出場)
ゲストバンド:高橋達也と東京ユニオン
8月24日(日)
1. 東京工業大学 ロス・ガラチェロス
2. 青山学院大学 ロイヤル・サウンズ・ジャズ・オーケストラ
3. 國學院大學 インサイド・ミュージック・オーケストラ
4. 東北学院大学 ジャズ・エクスプレッション・オーケストラ
5. 東京大学 ジャズ・ジャンク・ワークショップ
6. 関西学院大学 K.G.スイング・チャリオティアーズ
7. 日本大学 リズム・ソサエティ・オーケストラ
8. 明治学院大学 ブルーポート・ジャズ・オーケストラ
9. 専修大学 グリーン・サウンズ・オーケストラ
10. 東洋大学 グルービー・サウンズ・ジャズ・オーケストラ
11. 愛知学院大学 スインギング・オール・スターズ
12. 立正大学 ホース・ボーンズ・ジャズ・オーケストラ
13. 法政大学 ニュー・オレンヂ・スウィング・オーケストラ
14. 同志社大学 ザ・サード・ハード・オーケストラ
15. 立教大学 ニュー・スウィンギン・ハード・オーケストラ
ゲストバンド:森寿男とブルーコーツ
ゲストバンド
※当時のプログラムに掲載されたプロフィール
高橋達也と東京ユニオン
1964年5月野村良氏に依り結成され、以来渡辺明氏、山屋清氏を経て1966年高橋達也に引継がれ現在に至る。
山屋氏の影響もあり、新しいビッグバンドのサウンド創りに乗り出してから15年、当初はスタジオ、クラブ等が主な仕事場であったがさらにマスコミ関係を軸に海外有名アーティストとの共演、そしてステージコンサートと範囲を広げて行き、多忙の中にもそれだけに埋没する事なく多くのジャズ活動を続けた現在、日本ジャズ界のトップの座におどり出た。それは高橋達也のバンドリーダーとしての才覚もさる事ながら、プレイヤーとしての姿勢を崩さなかった事が大きいといわれている。
1975年から自主コンサート「UNION JAZZ INN」を開始、ビッグバンドジャズシーンに大きな反響を呼んだ。このコンサートも現在回を重ね15回となる。そして1977年には三木敏悟作編曲「北欧組曲」を発表し、ジャズディスク大賞、日本ジャズ賞を受賞。「レコード・オブ・ジ・イヤー」ポールウィナーとなる。ここに名実ともに日本のトップビッグバンドの地位を築く。1978年には世界三大ジャズフェスティバルのひとつであるスイス、モントルージャズフェスティバルに出演し絶賛を博した。又この年1978年と1979年と2年連続スイングジャーナル誌日本ジャズメン人気投票において、ビッグバンド部門でポールウィナーとなる。そして今年1980年9月第二の目的、米国西海岸モンタレージャズフェスティバル出演の決定を見ると共に、日本人グループ初の登場、西海岸随一のライブハウス、サンフランシスコ「キーストンコーナー」を始め、6コンサートのライブハウス出演が決定している。
【出演メンバー】リーダー/TS:高橋達也、Tp:多田善文、竹田恒夫、大坂潔、河東伸夫、Tb:西山健治、松本治、松林辰郎、BTb:山崎通晴、AS:堀恵二、柳沼寛、TS:森口則夫、BS:多田賢一、Dr:中村秀樹、Pf:金山正浩、Bs:和田淳生、Gt:川野秀俊、大久保博行
森寿男とブルーコーツ
ブルーコーツの前身は戦前ジャズの好きな大学生が集って編成されたフラタニティ・シンコペイターズであり、この中に私の人生とジャズの師である牧芳雄氏が居た。慶大生が牧氏の他馬渡誠一(サックス)など、法大生が小原重徳(ベース)、早大生が故人になった小島正雄(トラムペット)、京大生が長尾正士(サックス)。このバンドの内もう一人のドラマーで法大生だった遠藤勲だけプロとなり、戦前アメリカ航路の船の楽団に加わってプレイしていた。
昭和21年、この遠藤がリーダーとなり、終戦と共に復員して来た旧メンバーを中心にスイング・オルフェアンズを結成、進駐軍のクラブで活躍するようになった。
昭和24年、その後ビーバップ・エーセズとCBナイン等に別れていた長尾と馬渡が再会し、新橋の「フロリダ」をフランチャイズにして正式のブルーコーツが発足した。その伝統的な特徴は学生バンドあがりの知的ムード、上品さ、メンバー同士の仲の良さ。
私は当時のブルーコーツが大好きで、よく聞きに行った。特にグレン・ミラー物が得意で、アンサンブルが良く、昭和28年から3年続けてスイング・ジャーナル誌人気投票のフル・バンドの部門で優勝した。森寿男がリーダーになり若がえったブルーコーツの充実ぶりは驚異的でさえあった。
しかも、その目標とするビッグ・バンド・ジャズは、正統的エリントン~ベイシーの追求である。月一回の定期的ジャズ・クラブ出演、さらに毎月の銀座山野楽器でのサンデー・ジャズ・コンサート、ホテルのディナー・ショー、ブルーコーツとの仕事はいつも心がはずむ。
現在のブルーコーツはその輝かしい伝統をひきつぎながら若い優秀なメンバーで極めて充実している。(いソノてルヲ)
【出演メンバー】リーダー/Tp:森寿男、Tp: 上野雅憲、北里典彦、本木英夫、向出聡、Tb:伊藤真介、皆沢佳宏、青柳善二、AS:白井淳夫、林文夫、TS:田辺信男、中山浩二、BS:工藤良一、Dr:阿野次男、Gt:朝比奈貞秀、Bs:和田弘志、Pf:内間修