第10回ヤマノ・ビッグバンド・ジャズ・コンテスト(アーカイブ)
開催概要
■開催日 1979年8月19日(日)、8月20日(月)
■会場 中野サンプラザホール(東京都中野区中野4-1-1)
■主催 株式会社山野楽器
■後援 スイングジャーナル
■協賛 TBSラジオ、山野ビッグ・バンド・サークル
■出場 全国学生ビッグバンドオーケストラ(30バンド)
■審査員 いソノてルヲ(総合司会者/ジャズ評論家)、大熊隆文(スイングジャーナル編集長)、加藤茂樹(TBSラジオ)、川島重行(キングレコード制作ディレクター)、北里典彦(ブルーコーツ・トラムペット)、瀬川昌久(ジャズ評論家)、三木敏悟(コンポーザー/アレンジャー)、森寿男(ブルーコーツ・リーダー)、山野政光(審査委員長) ※五十音順、敬称略
■司会 いソノてルヲ ■アシスタント 中山恵美子
※敬称略
表彰
最優秀賞 愛知学院大学 スインギング・オールスターズ
優秀賞 同志社大学 ザ・サード・ハード・オーケストラ
優秀賞 慶應義塾大学 ライト・ミュージック・ソサエティ
スイングジャーナル賞 東洋大学 グルービー・サウンズ・ジャズ・オーケストラ
TBSラジオ賞 日本医科大学 ミッドナイト・サウンズ・ジャズ・オーケストラ
敢闘賞 早稲田大学 ハイ・ソサエティ・オーケストラ
特別賞 成蹊大学 コンパル・サウンズ・ジャズ・オーケストラ
特別賞 専修大学 グリーン・サウンズ・オーケストラ
審査員賞 長崎大学 スウィング・ボート・ジャズ・オーケストラ
最優秀ソリスト賞 竹下俊行さん(AS/Fl) 日本医科大学 ミッドナイト・サウンズ・ジャズ・オーケストラ
優秀ソリスト賞 宇戸午朗さん(Bs) 同志社大学 ザ・サード・ハード・オーケストラ
優秀ソリスト賞 浜田芳治さん(AS) 愛知学院大学 スインギング・オール・スターズ
優秀ソリスト賞 吉弘千鶴子さん(Pf) 国際基督教大学 モダン・ミュージック・ソサエティ
審査員賞 渡辺秀義さん(Tp) 昭和大学 メディカル・オールスターズ
出場バンド(出演順)
8月19日(日)
1. 早稲田大学 ハイ・ソサエティ・オーケストラ
2. 国際基督教大学 モダン・ミュージック・ソサエティ
3. 立教大学 ニュー・スウィンギン・ハード・オーケストラ
4. 慶應義塾大学 ライト・ミュージック・ソサエティ
5. 東京経済大学 スウィング・エコーズ・オーケストラ
6. 日本大学 リズム・ソサエティ・オーケストラ
7. 上智大学 ニュー・スウィング・ジャズ・オーケストラ
8. 国際商科大学 サウンド・メッセージ・フリー・バンド
9. 東京大学 ジャズ・ジャンク・ワークショップ
10. 昭和大学 メディカル・オールスターズ
11. 東京工業大学 ロス・ガラチェロス
12. 東海大学 スウィング・ビーツ・オーケストラ
13. 慶應義塾大学 K.M.P.ニュー・サウンド・オーケストラ
14. 立正大学 ホース・ボーンズ・ジャズ・オーケストラ
15. 和光大学 グリーン・キャタピラーズ・ジャズ・オーケストラ
16. 國學院大學 インサイド・ミュージック・オーケストラ
ゲストバンド:高橋達也と東京ユニオン
8月20日(月)
1. 獨協大学 スウィンギン・キャッツ・ジャズ・オーケストラ
2. 東京電機大学 コースト・ジャズ・オーケストラ
3. 青山学院大学 ロイヤル・サウンズ・ジャズ・オーケストラ
4. 日本医科大学 ミッドナイト・サウンズ・オーケストラ
5. 専修大学 グリーン・サウンズ・オーケストラ
6. 日本大学 ブルー・スウィング・ジャズ・オーケストラ
7. 同志社大学 サード・ハード・オーケストラ
8. 東洋大学 グルービー・サウンズ・オーケストラ
9. 神奈川大学 カレッジ・サウンズ・オーケストラ
10. 関西学院大学 K.G.スイング・チャリオティアーズ
11. 愛知学院大学 スウィンギング・オール・スターズ
12. 成蹊大学 コンパル・サウンズ・ジャズ・オーケストラ
13. 熊本商科大学・短期大学 コズミック・マインド・ジャズ・オーケストラ
14. 長崎大学 スウィング・ボート・ジャズ・オーケストラ
ゲストバンド:森寿男とブルーコーツ
ゲストバンド
※当時のプログラムに掲載されたプロフィール
高橋達也と東京ユニオン
東京ユニオンORCHは昭和39年5月初代リーダー野村良氏に依り結成された。当初は、スタジオ、クラブ等での演奏が主であった。その後リーダーが渡辺明氏、山屋清氏を経て、昭和41年四代目リーダーに高橋達也が就任。
山屋清氏の影響もあり、このバンドにコンボ的要素を取り入れ、新しいビッグ・バンドのサウンド創りに乗り出し、苦節14年、一歩一歩駒を進め現在の東京ユニオンを確立した。その間、マスコミ(TV、ラジオ)関係を主に、ステージコンサート、ビッグ歌手のバックグランド、外国アーチストとの共演、そしてジャズ活動、アルバム創りと意欲的に取り組み、遂に1977年ジャズディスク大賞、日本ジャズ賞「北欧組曲」を受賞するという栄誉を勝ち得た。又、1977年、78年にビッグ・バンド部門にてポール・ウィナーとなる。
【出演メンバー】Con:三木敏悟、Gt:大久保明、Key:千野秀一、Pf:吉田賢一、Bs:成重幸紀、Dr:風間幹也、Per:古谷哲也、Tp:吉田憲司、安孫子浩、四宮寛、小林正弘、マイク・プライス、TS:菊地康正、金城寛文、AS:大森明、吉永寿、Fl:西沢幸彦、Fa:大畠條亮、Tb:鍵和田道男、ブルース・ファーラー、岩崎敏信、川島茂、Frh:南浩之、Tuba:大沢健一、Vo:中本マリ
中本マリ
1947年宮城生。実力、人気共にNo.1。SJ人気投票3年連続1位。代表作『アフロディーテの祈り』。
森寿男とブルーコーツ
ブルーコーツの前身は戦前ジャズの好きな大学生が集って編成されたフラタニティ・シンコペイターズであり、この中に私の人生とジャズの師である牧芳雄氏が居た。慶大生が牧氏の他馬渡誠一(サックス)など、法大生が小原重徳(ベース)、早大生が故人になった小島正雄(トラムペット)、京大生が長尾正士(サックス)。このバンドの内もう一人のドラマーで法大生だった遠藤勲だけプロとなり、戦前アメリカ航路の船の楽団に加わってプレイしていた。
昭和21年、この遠藤がリーダーとなり、終戦と共に復員して来た旧メンバーを中心にスイング・オルフェアンズを結成、進駐軍のクラブで活躍するようになった。
昭和24年、その後ビーバップ・エーセズとCBナイン等に別れていた長尾と馬渡が再会し、新橋の「フロリダ」をフランチャイズにして正式のブルーコーツが発足した。その伝統的な特徴は学生バンドあがりの知的ムード、上品さ、メンバー同士の仲の良さ。
私は当時のブルーコーツが大好きで、よく聞きに行った。特にグレン・ミラー物が得意で、アンサンブルが良く、昭和28年から3年続けてスイング・ジャーナル誌人気投票のフル・バンドの部門で優勝した。森寿男がリーダーになり若がえったブルーコーツの充実ぶりは驚異的でさえあった。
しかも、その目標とするビッグ・バンド・ジャズは、正統的エリントン~ベイシーの追求である。月一回の定期的ジャズ・クラブ出演、さらに毎月の銀座山野楽器でのサンデー・ジャズ・コンサート、ホテルのディナー・ショー、ブルーコーツとの仕事はいつも心がはずむ。
現在のブルーコーツはその輝かしい伝統をひきつぎながら若い優秀なメンバーで極めて充実している。
サックス陣には田辺信雄がすばらしいプレイをしている。五十嵐の弟子の林文夫、アルト白井淳夫、バリトン白子正生とよくそろい、来日したマルチ木管奏者のプリンス・ローシェはマーシャル・ロイアルのリードするベイシィ楽団のサックス・セクションと同じ音がしていると賞賛していた。
トロムボーンも、伊藤真介、松本治、皆沢佳宏、青柳善二と固まり、トラムペットには小原正勝をリードに、森とは竹馬の友の本木英雄、北里のいぶし銀のようなプレイ、若い向出聡とそろった。ピアノ塚原小太郎、ベース後藤信行、ドラムス阿野次男のリズムも快くスイングしている。(いソノてルヲ)
【出演メンバー】リーダー/Tp:森寿男、Tp: 小原正勝、北里典彦、本木英夫、向出聡、Tb:伊藤真介、松本治、皆沢佳宏、青柳善二、AS:白井淳夫、林文夫、TS:田辺信男、中川浩二、BS:白子正生、Pf:塚原小太郎、Bs:後藤信行、Dr:阿野次男