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“ベートーヴェン生誕250年記念 ピリオド楽器で聴くベートーヴェン〜新録音から”

銀座本店 クラシックフロア スタッフが選んだ
“ベートーヴェン生誕250年記念 ピリオド楽器で聴くベートーヴェン〜新録音から”(2020/5/6掲載)
 


続々とCDが発売され、大いに盛り上がりを見せる2020年のベートーヴェンの生誕250年記念。ここではピリオド楽器による新録音の中から注目のアルバムをご紹介していきます。作品自体の録音が珍しいものから、有名曲の新鮮な解釈まで聴いて新たな発見のあるアルバムばかりです。あなたのベートーヴェン像が刷新される演奏の数々をお楽しみください!
 

  • 『新しい道~ベートーヴェン:ピアノソナタ第16-18番、6つの変奏曲、エロイカ変奏曲』

    アンドレアス・シュタイアー(フォルテピアノ 1810年頃マティアスミュラーによる製作)
    Harmonia mundi
    HMM902327(2枚組) 輸入盤 
    KKC6166(2枚組)輸入盤国内仕様

    フォルテピアノの鬼才シュタイアーがベートーヴェンイヤーに放つ録音は中期の3つの傑作ソナタと2つの変奏曲。作曲当時のウィーンで製作された歴史的楽器を使用し、当時の響きを再現している。低音と高音で異なる個性を持つこの楽器の特性を引き出し、ベートーヴェンの作品の個性と結びつけ、清新な響きを生み出している。有名な「テンペスト」の第3楽章ではその特長が顕著で、まるで今生まれた音楽のように新鮮に聴こえる。また2つの変奏曲の演奏も異なる個性を際立たせ、ベートーヴェンの変奏曲の面白さを引き出している。フォルテピアノによる最良のベートーヴェン演奏であり、モダンピアノによる数々の名演と比較しても引けを取らない名演だ。(須田)

  • 『ベートーヴェン 劇音楽「エグモント」全曲』

    アーポ・ハッキネン指揮ヘルシンキ・バロック・オーケストラ
    エリザーベト・ブロイアー(ソプラノ)
    ロベルト・フンガー=ビューラー(語り)
    ONDINE ODE1331 輸入盤

    序曲だけが有名な劇音楽「エグモント」の全曲盤。セルやアバドの名演もあるが、ピリオド楽器による演奏は貴重。序曲から鋭いアタックとスッキリした響きで、モダン楽器による演奏とは全く異なる印象を与える。迫力にも事欠かないところがまたすごい。続くソプラノの清新な歌唱とドイツ人俳優による語りも迫真で、演奏に華を添える。北欧のピリオド楽器オーケストラの雄、ヘルシンキ・バロック・オーケストラを率いるハッキネンの劇姓性を重んじた指揮も秀逸。語りまで含んだ「エグモント」の貴重な全曲盤でありながら、新たなベートーヴェン像をも打ち出した名演だ。(須田)

  • 『ベートーヴェン 不滅の恋〜アリア集』

    ヘン・ライス(ソプラノ) 
    リチャード・エガー指揮アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック 
    オリヴァー・ウォス(ハープ)
    ONYX PONYX4218 輸入盤国内仕様

    世界中の歌劇場で活躍、来日公演も好評を博したイスラエルのオペラ歌手ヘン・ライス(チェン・レイスとも)によるベートーヴェン・アルバム。唯一のオペラ「フィデリオ」からのアリアをはじめ、劇音楽「エグモント」のリート、そしてシェーナとアリアなどを収録。これだけベートーヴェンのオーケストラ伴奏のソプラノ声楽曲が集められているアルバムはほとんど例がないだけに貴重。ベートーヴェンの作品はライスの美しく澄んだ高音が映える曲ばかりで、才人エガーが指揮する伴奏の老舗ピリオド楽器オーケストラの響きとも相まって劇的ながら澄み切ったベートーヴェンの美の世界を体験させてくれる。特に最終曲「おお、不実な者よ」は当時の名ソプラノに捧げられた力強い美しさを持った名曲で、ライスの良さが最も顕著となる名歌唱となっている。(須田)

  • 『ベートーヴェンとその時代 ブレシアン・マンドリンとフォルテピアノによる作品集』

    ラファエレ・ラ・ラジョーネ(マンドリン)
    マルコ・クロセット(フォルテピアノ)
    ARCANA A117 輸入盤

    30前のベートーヴェンがプラハを訪れた時出会ったマンドリンを奏する貴族の令嬢のために作ったマンドリンとフォルテピアノのための作品と同時代の作曲家のマンドリン曲を集めた一枚。ベートーヴェンがマンドリンのための音楽を作曲していたことは意外だろうが、曲調も意外だろう。重厚感ある作品というベートーヴェンの一般的なイメージからは想像できない愛らしい小品なのだから。ここで聴けるマンドリンは現在一般的なナポリ型のマンドリンではなく、イタリア北部のブレシアで作られていた楽器なので、奏法もトレモロを使わないシンプルな響きが特徴。見た目も音も実にかわいらしい。ここでは18世紀に作られた楽器のレプリカにガット弦を張って演奏。フォルテピアノとも絶妙なハーモニーを奏でている。貴族の館で貴族の令嬢の弾くマンドリンの伴奏をフォルテピアノで奏でるベートーヴェンの楽しそうな姿が想像できる一枚。(須田)

  • 『ベートーヴェン:交響曲第1-3番(室内楽版)』

    コンパーニャ・ディ・プント
    deutsche harmonia mundi 19439706502(2枚組) 輸入盤

    ベートーヴェンイヤーには主要曲ばかりでなく、珍しい作品やアレンジものの録音が数々登場している。これもその一つでベートーヴェンの同時代人が編曲した交響曲の室内楽版。第2番はベートーヴェンの優れた弟子として近年注目を浴びるリースが、第1番と第3番「英雄」は同い年の作曲家エーベルスが編曲。ボンのベートーヴェンハウスが所蔵するオリジナルスコアを使用。弦楽器だけでなく管楽器も含む編曲(リースはフルートとホルンを、エーベルスはクラリネットとホルンを加えている)で、すっきりとした見通しのスコアとなり、各パートのやり取りがよく分かる。ピリオド楽器による演奏も優秀で、室内楽編成ならではの機動力の良さを活かし、快活で親密なアンサンブルを繰り広げている。「英雄」では、冒頭こそ薄い響きに思えるが、聴き進めるうちに段々と室内楽編成に慣れ、第2楽章の葬送行進曲など重々しさと迫力を感じさせ、曲の凄みをダイレクトに教えてくれる。第3楽章のスピード感、終楽章の盛り上がりも楽しい。ベートーヴェンの当時、名作がどのように受け入れられ、編曲され、広まり、親しまれていったが音として理解できる格好の録音。(須田)

  • 『ベートーヴェン:交響曲第5番&第6番「田園」』

    マルティン・ハーゼルベック指揮ウィーン・アカデミー管弦楽団
    ALPHA NYCX10131 輸入盤国内仕様

    作曲または初演当時の響きを再現することを目的に進められているハーゼルベックによる画期的ベートーヴェン管弦楽作品録音シリーズ「リサウンド・ベートーヴェン」の最終作が登場。第5番と第6番というほとんど間を開けずに初演されたこの2曲を、当時も姿のまま現存するウィーンのニーダーエスターライヒ宮殿で録音。楽器も当時のスタイルのもの演奏法も当時に従い、当時の姿が残る演奏会場での演奏は、このこだわりによってピリオド楽器演奏による演奏が珍しくなくなっている現在においても、新鮮に響く。特に第5番のあの有名な主題がどのように曲に曲に散りばめられているのかを知るには格好の演奏だろう。「田園」での嵐の場面の強烈な表現やピリオド管楽器ならではの柔らかなハーモニーによるナチュラルな音色にも注目。コンサートマスターのイリヤ・コロルをはじめ、他にもラースロー・パウリクやパヴェル・セルビン、バラーシュ・マーテーら近年の古楽シーンで活躍する名手たちが参加していることも古楽ファンにはうれしい。初演当時の「運命」「田園」の響きを存分に堪能してほしい。(須田)

  • 『ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
     クネヒト:自然の音楽的描写、または大交響曲』


    ベルリン古楽アカデミー(指揮者なし コンサートマスター:ベルンハルト・フォルク)
    harmonia mundi
    hmm902425 輸入盤
    KKC6206 輸入盤国内仕様 6月発売予定

    ベルリン古楽アカデミーがベートーヴェンイヤーに送り出すアルバムは田園。なんと指揮者なしでの録音である。ベルリンのテルデックススタジオで当時の音響を再現すべく、研究を重ね、編成や楽器配置を決定。向かって左側にヴァイオリン、中央にチェロとヴィオラ、右側に木管楽器群、後部に金管楽器、そしてその後ろにコントラバスという、各楽器群同士の掛け合いがより明確になるオーケストラ配置は音響面でも効果抜群。室内楽的なアンサンブルが可能というこの配置により、ベルリン古楽アカデミーが誇る機動力はさらに活かされ、親密で濃密な演奏が生み出されている。また、このアルバムの興味深いところは、田園の先行作でベートーヴェンの作曲のインスピレーションの元となったと言われるクネヒトの大交響曲をカップリングとして収録している点。「田園」から30年ほど前に作られた作品だが、曲の出だしの雰囲気など、ところどころ「田園」と似ている部分が現れるところが実に面白い。ベートーヴェンの発想源を音として確かめられるところもうれしい。比較して聴くことにより「田園」の革新性も感じることができるだろう。「田園」のイメージをアップロードしてくれるすばらしいアルバムだ。(須田)

  • 『ベートーヴェン:歌劇「レオノーレ」1805年版 第1稿』

    ルネ・ヤーコプス指揮フライブルク・バロックオーケストラ
    マルリス・ペテルセン(レオノーレ) マキシミリアン・シュミット(フロレスタン)他
    harmonia mundi
    HMM932414(2枚組) 輸入盤
    KKC6133(2枚組) 輸入盤国内仕様 
    6月発売予定

    バロック・オペラ演奏の第一人者であり、モーツァルトなど古典派のオペラ録音でも最新の研究と独自の解釈を織り交ぜ、目覚ましい成果を挙げているヤーコプスのベートーヴェンイヤー記念盤は「レオノーレ」。あえて「フィデリオ」ではなく、「レオノーレ」、しかも様々な不運のせいで、上演が失敗に終わったという初稿をあえて録音する理由は、この初稿こそベートーヴェンの意図が最も反映されているとヤーコプスが判断したから。初稿から第3稿となる「フィデリオ」に至るまでに多くのカットがなされているが、ここではカット前の音楽やセリフが聴けるのだ(詳しくは輸入代理店ホームページで→下記アドレス)。セリフのおかげせモーツァルトの「魔笛」のようなジングシュピールとしての音楽が蘇り、より劇音楽の側面が増す。ヤーコプスのドラマの作り方、歌手たちのすばらしい演技と歌唱がそれを輝かしいものにする。劇音楽作曲家としてのベートーヴェンをお楽しみあれ!(須田)
    https://www.kinginternational.co.jp/genre/hmm-902414/

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