銀座本店

TOPICS

今月の必聴傾聴盤

銀座本店 クラシックフロア スタッフが選んだ“今月の必聴傾聴盤”(2019/6/21更新)
 
レオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年記念盤!

『レオナルド・ダ・ヴィンチ、秘められた音楽~イタリア・ルネサンス 絵画における調和と音楽』

ドゥニ・レザン・ダドル&ドゥース・メモワール

【ALPHA】 NYCX10061 輸入盤国内仕様

レオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年という今年、美術史関連だけでなく、音楽史の分野でも盛り上がりを見せている。そんな中、決定的なCDが登場した。このアルバムは、イタリア・ルネサンス音楽の専門家ダドルと彼の主宰するルネサンス専門アンサンブル“ドゥース・メモワール”が、ルーヴル美術館の16世紀イタリア絵画の専門の美術史家とタッグを組んだことにより実現した企画。ダ・ヴィンチの絵画10点が選ばれており、それに合わせたルネサンス時代の音楽(声楽・器楽どちらも)を収録。美麗書籍装丁でオールカラー図版、歌唱も演奏も雰囲気満点という豪華さで、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品における絵画と音楽の密接な関係を目と耳で体感できる画期的な内容となっている。加えて日本語解説も詳細で資料的価値も高く、読み応え十分。このアルバムを鑑賞すれば、レオナルド・ダ・ヴィンチという世界史上類を見ない“万能の天才”への理解が深まること間違いなし!(須田)

  • 圧巻!ベルニウスのミサ・ソレムニス!

    『ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス』

    フリーダー・ベルニウス指揮シュトゥットガルト室内合唱団、ホーフカペレ・シュトゥットガルト

    【CARUS】83.501 輸入盤

    合唱界のカリスマ、フリーダー・ベルニウスがついにベートーヴェンの傑作「ミサ・ソレムニス」を録音!バッハの「マタイ受難曲」、モーツァルトの「レクイエム」、メンデルスゾーンの「讃歌」、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」、リゲティの「ルクス・エテルナ」などなど、バロックからロマン派、そして現代までのさまざまな作品を、圧倒的説得力を持って録音してきたベルニウスだけに、大いに期待が高まっていたが、果たして結果は聴き手の期待をはるかに上回っていた!グローリアやクレドの圧倒的構築感、アニュス・デイの美しさなどなど、細部まで練られた解釈が、全楽章を聴き終えた後、全体の解釈にまで繋がっていたことに驚愕させられる。大規模で複雑な建築物の構造を瞬時に見抜く才能の持ち主のように、ベルニウスはあらゆる作品の構造を見抜いてしまうのだろう。凄い…(須田)

  • 宗教改革の重要転換点「ライプツィヒ討論」をテーマにした企画盤

    『「ライプツィヒ討論」~ブリュメル:ミサ曲「見よ、大地の揺れ動きを」他』

    カルムス・アンサンブル&アマルコルド

    <CARUS> 83.497 輸入盤

    2017年はルターによる宗教改革から500年という記念の年で、音楽史関係でも大いに盛り上がりを見せたが、2019年は、宗教改革の重要な転換点となった「ライプツィヒ討論(1519年)」から500年という記念の年でもある。「ライプツィヒ討論」とは、宗教改革を訴えるルターと、ローマ・カトリック側のドイツの神学者で宗教改革を批判していたヨハン・エックによる討論会であり、この中でルターがローマ教皇権は聖書に基づくものではないとして、その権威を否定したことから、プロテスタントとカトリックの対立が明白となり、宗教改革が一層進み、大きな広がりを見せることとなった。このアルバムは、その「ライプツィヒ討論」から500年を記念して企画されたこだわりのアルバム。カトリック対プロテスタントの構図を選曲にも反映させ、双方に属する当時の楽曲を収録。カトリック側の大規模な作品であるブリュメルのミサ曲「見よ、大地の揺れ動きを」(このタイトルもCD内容を示唆的!)を中心にし、ルター派のドイツ語による教会音楽(ルターを讃える歌詞を持つ楽曲も!)を加えながら、全体を構成する。2つのドイツの優れた声楽アンサンブルの共演(あるいは対決?)もこれに因んでおり、ジャケットもまさに“対立”をイメージ。世界が揺れ動いた宗教改革の時代を音楽で体験できる格好の一枚だ。(須田)

  • イギリスの名グループによる久々の新録音はシュッツ!

    『シュッツ:カンツィオーネス・サクレ』

    フィリップ・ケイヴ指揮マニフィカト

    【LINN】CKD607(2CD) 輸入盤

    あのタリス・スコラーズで長年活躍したイギリスのテノール歌手フィリップ・ケイヴが主宰する精鋭声楽アンサンブル、マニフィカトによる久々の新録音は、ドイツ・バロックの巨匠シュッツ。これまで主にルネサンス・ポリフォニーを取り上げてきた彼らの新境地と言えるアルバムだ。全編ラテン語によるこの宗教合唱曲集は、シュッツの作品の中でも比較的初期のものであるが、完璧な対位法で書かれた傑作である。中でも「CANTATE DOMINO」は日本のアマチュア合唱団でも人気の曲で、聴き映え、歌い映えする親しみやすい作品だ。マニフィカトのメンバーは、「ほとんどタリス・スコラーズ!」と言っても過言ではないほどの実力派揃い。特にアルトのキャロライン・トレーヴァーの存在感は圧倒的だ。マニフィカトの見事な歌唱でシュッツの実によくできた音楽の数々を堪能したい。(須田)

  • 17世紀の女性作曲家による知られざる名曲!

    キアラ・マルガリータ・コッツォラーニ:晩課(聖母マリアの夕べの祈り)

    エミリアーノ・ゴンサレス・トロ指揮イ・ジェメッリ

    【NAIVE】V5472 輸入盤

    17世紀のイタリア音楽のスペシャリストとしてさまざまな名だたる古楽アンサンブルで活躍するテノール歌手トロが2018年に結成したアンサンブル“イ・ジェメッリ”のデビュー盤。17世紀ミラノのベネディクト会修道女コッツォラーニの詩篇曲、モテットを集め、いわゆる「聖母マリアの夕べの祈り」として構成したアルバムだ。モンテヴェルディの同名曲を思わせる技巧的な作風が面白い。特に歌唱の名人芸的要素には目を見張るものがあり、モンテヴェルディの主張した「スティレ・コンチタート(興奮様式)」を思わせる部分も。このアルバムでは、指揮をしながら歌手も務めるトロは、初期バロックに熱い想いを持っており、その歌唱も知性と感情が高度に融合した優れもの。トロに乗せられるように他の歌手陣も熱唱を聴かせてくれる。そして器楽陣も、ヴァイオリンの寺神戸亮をはじめ実力派揃い。モンテヴェルディ・ファン、初期バロック・ファンなら必携、バロック音楽の聴く幅を広げたい方にも必ず聴いてほしいアルバムだ。(須田)

※掲載商品のお問い合わせ、ご注文は、本店クラシックフロアまで TEL 03-3562-5051(代表)