銀座本店

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今月の必聴傾聴盤

銀座本店 クラシックフロア スタッフが選んだ “今月の必聴傾聴盤” 

スウェーデンの名合唱団と気鋭のピリオド楽器アンサンブルによる個性派メサイア!

ヘンデル:オラトリオ「メサイア」
ゲイリー・グラーデン指揮聖ヤコブ室内合唱団リバロック(コンサートマスター:マリア・リンダル)


PROPRIUS/ PRCD2080(2CD)輸入盤

高音質で知られるスウェーデンのPROPRIUSレーベルからの新譜。
2016年11月のストックホルム大聖堂でのライヴ録音となる。これまでにもバッハの「ヨハネ受難曲」や「モテット集」で共演した彼ら。しっかりと“言葉をしゃべる”質の高い合唱団の歌唱と伴奏にとどまらない雄弁な器楽が融合した希有な名演を聴かせてくれていただけに、この「メサイア」も大いに期待できる内容だ。冒頭から一筋縄ではいかない驚きの仕掛けがある。そして合唱団の質の高さ、楽器の雄弁さは本当に素晴らしい。名合唱指揮者グラーデンの統率力には目を見張るものがある。これがライヴだと言うのだから驚きだ。聴きなれた「メサイア」が新鮮に聴こえる、新しい名盤の誕生だ!(須田)
 

  • イギリスのバッハ演奏家たちによる名盤「音楽の捧げ物」!

    J.S.バッハ:音楽の捧げ物
    ブクステフーデ:ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ第6番
    ザ・バッハ・プレイヤーズマリオン・モーネン(フラウトトラヴェルソ)、ニコレット・モーネン(ヴァイオリン)、市瀬礼子(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、サイラス・ウォルストン(チェンバロ)

    Hyphen Press Music / HPM011 輸入盤

    イギリスで活躍するベテラン・ピリオド楽器奏者たちで結成されたザ・バッハ・プレイヤーズは、バッハの作品を中心としてコンセプト・アルバムを次々と世に送り出し、バッハの作品を多角的に見ていくことで、そのすばらしさを改めて教えてくれている優れたアンサンブル。とにかく毎回、コンセンプトがすばらしく、その凝ったプログラムには脱帽するほかない。今回のアルバムはバッハの晩年の傑作「音楽の捧げ物」。もちろん彼らのこと、一般とは違うコンセプトで臨む。まずフルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロという編成はけっこう珍しいはず。チェロを使用しない所にこだわりを感じる。そして、なんと言っても「音楽の捧げ物」の前に、ブクステフーデのソナタを配置させているプログラムが妙。このブクステフーデの作品、これぞ「スティルス・ファンタスティクス(幻想様式)」!という知られざる傑作なのだ。若き日のバッハはこうした曲に強い憧れを抱いたに違いないのだ。そして晩年、「王の主題」を用いて音楽を作り上げる時に、ブクステフーデに憧れた若き日の記憶を思い起こしただろうことも容易に想像できる。この曲と一緒に聴くことで「音楽の捧げ物」は一層面白みを増すのだということを、聴き手は知ることになるだろう。(須田)

  • ピアノ・ロールの名コレクションが蘇る!

    コンドン・コレクション1~5
    ホロヴィッツ、コルトー、パハマン、パキータ・セゴビア、ブゾーニ

    キングインターナショナル / KKC4102~4106 5タイトル バラ売り 日本語解説付

    孔を開けたロール・ペーパーと空気圧を利用して鍵盤を動かす自動ピアノ。1904年に商品化された「リプロデューシング・ピアノ」は再現の精度が高く、ヴェルテ=ミニョン、アンピコ、デュオ・アートといった有力ブランドの優れた製品に、まだレコード黎明期だった当時の多くの名ピアニストや作曲家たちがその演奏をピアノ・ロールに記録した。現在アメリカのスタンフォード大学にある「コンドン・コレクション」は、オーストラリアのデニス・コンドンがその生涯に収集した7500本以上のピアノ・ロールから成る一大コレクションとして知られている。これはその「コンドン・コレクション」から復刻したシリーズで5タイトルがバラ売りとして発売された。ホロヴィッツが20代前半に記録した壮絶な演奏、コルトー壮年期のベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番を記録した一枚、「羽毛のタッチ」と称されたパハマンの繊細なタッチを再現した一枚、あのギターの巨匠セゴビアの夫人だったパキータ・セゴビアの貴重な演奏を再現した一枚、そして作曲家・編曲家として知られるブゾーニ自身によるバッハのシャコンヌの編曲を記録した一枚と、どのタイトルも貴重な記録がピアノ・ロールで再現されている。ピアノ・ファンなら聴いておきたい内容だ。(須田)
    ※ジャケット写真はホロヴィッツのアルバム。

  • 凄腕集団によるテレマン!

    テレマン・アット・カフェ・ツィンマーマン?テレマン:協奏曲と室内楽曲集
    ディ・フライタークスアカデミー

    WINTER&WINTER / 910245-2輸入盤

    ドイツオーストリアのメンバーからなる凄腕ピリオド楽器グループ、フライタークスアカデミー。毎回、凝ったコンセプトによるプログラムで楽しませてくれる彼らが、今回取り上げたのがテレマンだ。テレマンが、ライプツィヒで音楽学生を集め結成した“コレギウム・ムジクム”の演奏会を行ったという大きなコーヒー店、“カフェ・ツィンマーマン”での演奏会を再現したアルバムだという。昼間はカフェの庭園で、夜は店内で、夏場は毎週のように行われていたというそのコンサート。テレマンは過去20年間に書き溜めた作品を、そのコンサートに惜しげもなく注ぎ込み、聴衆を楽しませていたそうだ。ここでフライタークスアカデミーは、おそらく庭園での、すなわち野外での演奏を考慮し、あえてチェロなしの編成で演奏。3つのオーボエとチェロを除く弦楽合奏ヴァイオリン、ヴィオラ、ヴィオローネ、バスーンとチェンバロ。チェロのない通奏低音の響きは意外なほど面白い。一聴して愉悦の曲と見せかけ、さまざまな仕掛け満載で、とてもコーヒー飲みながら優雅には聴いていられない演奏。ヴァイオリンの強烈な切れ味など、驚くほどだ。さすがは、鬼才レツボール率いる気鋭の古楽アンサンブル、アルス・アンティクァ・アウストリアで活躍するメンバーが揃っているだけはある。一筋縄ではいかない演奏には一家言あるのだ。そうした解釈が可能なのも、もちろん天才テレマンの作品のすごさがあってこそ。テレマン・イヤーの大注目盤として強く強くオススメする。(須田)

  • モンテヴェルディ・イヤーに異才がおくる待望の一枚!

    クロリンダとタンクレディ~モンテヴェルディによる愛の場面
    マルコ・メンコボーニ指揮カンタール・ロンターノ
    フランチェスカ・ロンバルディ・マッツゥーリ(ソプラノ)、ルカ・ドルドロ(テノール)

    GLOSSA / GCD923512 輸入盤

    イタリア・ルネサンス&バロック音楽のスペシャリストであるメンコボーニが、自らのグループを率いてモンテヴェルディ・アルバムをGLOSSAからリリース。有名な「タンクレディとクロリンダの戦い」を中心に選ばれたマドリガーレ集であるが、アルバム・タイトルが「クロリンダとタンクレディ」となっているように、ここではクロリンダに主が置かれるプログラムとなっているところが珍しい。異才メンコボーニのこだわりを感じる。例えば、「タンクレディとクロリンダの戦い」の後に、死せるクロリンダの独白のような作品が置かれ、その後に女性の失恋歌と言える「ニンフの嘆き」を配置する。戦いによって引き裂かれた恋人たちの悲劇を女性側クロリンダ側からの視点でストーリー仕立てにしているようだ。こうした選曲ゆえか、戦いの激しさよりも、別離の悲劇性、哀しみに重きを置いた解釈となっており、全体的に救いようのない暗さが漂っている。愛する男性に気付かれずに誤って殺されてしまうクロリンダの引き裂かれるような思いを考えると、涙なしでは聴けなくなってしまうだろう。クロリンダをはじめ、全編で活躍するソプラノ歌手マッツゥーリの歌唱が実にこうした解釈に非常に合っている。ここで語られる「愛の場面」とは間違いなく悲劇だ。モンテヴェルディの情念表現を驚くほど引き出した名演としてオススメしたい。(須田)

  • ピエール・アンタイが参加!ヘルシンキ・バロック・オーケストラのバッハ第3弾!

    J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲集Vol.3 2台のチェンバロのための協奏曲集
    ピエール・アンタイ(チェンバロ)、アーポ・ハッキネン(チェンバロ)、ヘルシンキ・バロック・オーケストラ

    AEOLUS / AE10087(SACDハイブリッド)輸入盤

    2017年12月には来日も果たす北欧古楽アンサンブルの雄ヘルシンキ・バロック・オーケストラによるバッハのチェンバロ協奏曲集の第3弾。今回は2台のチェンバロのための協奏曲を3曲と、長男ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハの作品を1曲収録。なんといっても注目は鬼才ピエール・アンタイが参加している点!フィンランドの名手アーポ・ハッキネンとの丁丁発止のソロはスリリングで、バッハのチェンバロ協奏曲の新しい聴き方を示してくれているかのようだ。高音質で知られるAEOLUSレーベルの録音もすばらしく、まるで目の前で演奏されているかのよう。バッハのチェンバロ協奏曲が演奏されていたというカフェ・ツィンマーマンでの演奏を疑似体験できる一枚だ。(須田)

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