銀座本店 GINZA

ベーゼンドルファー特集

文化との結びつき

西洋文化と音楽の結びつきは、讃美歌や礼拝の時など日常生活の一部に根付いています。 宮廷音楽から市民階層へ音楽が生活に浸透するようになり、老若男女がクラシック音楽を楽しむ姿は、ヨーロッパが生んだ音楽の歴史を彷彿とさせます。 日本の風土で生まれた和楽器や伝統文化の発声と、乾燥した風土で響きが豊かな建物が多いヨーロッパでの発音や発声は大きく異なり、音への感性はこのような気候からも違いがはっきりとします。 ヨーロッパの風土と音楽の文化を知ることで、銘器が歩んだ紆余曲折の歴史が音色として表現されています。

ベーゼンドルファーの歴史


創業者:イグナッツ・ベーゼンドルファー

創業年:1828年
創業地:オーストリア ウィーン
親交のあった音楽家:ヨハン・シュトラウス2世、ブラームス、リスト
創業以来、品質にこだわり徹底した少量生産を続けているため、創業180年で約5万台の生産台数。 これはスタインウェイの10分の1、ヤマハの100分の1の生産台数です。 1台のピアノ製造の内、組立工程には62週間もの期間をかけるため、年間の生産は250台程度にとどまっています。

ベーゼンドルファー生産工程

木材の加工~組立まで 1

オーストリア、ノイシュタットのベーゼンドルファー敷地内にて、5〜7年かけて全ての木材の天然乾燥を行ないます。含水率が約12.5%になるよう、木材の大きさや仕上がり具合によって天然乾燥の期間が決まります。乾燥のスピードが速すぎても、音の伝達に影響するため、時間をかけて行う工程です。

木材の加工~組立まで 2

ベーゼンドルファーはオーストリア産のスプルースを使用します。木材は含水率や樹液が少ない冬に伐採したものを使用します。 短期間で乾燥させるために、屋外乾燥が終わったら一枚板からパーツのおおまかなサイズに加工していきます。

木材の加工~組立まで 3

最終的に含水率7〜8%にするためには、雨や風には触れない方がよいため、加工された木材は、屋内天然乾燥へ移されます。 屋内は湿度温度が一定に保たれるよう管理され、自然の力で木材から水分を抜きます。

木材の加工~組立まで 4

ピアノの土台作りが始まります。棚板と支柱枠作りの現場です。ピアノの作りは手作業で進みます。

木材の加工~組立まで 5

側板は積層板ではなく、ムク材の一枚板を張り合わせ、一枚にしたものに、曲げやすいようソリットを入れ側板として接着します。 この後、シーズニングのためしばらく放置。接着後の変化が落ち着いたら、次の工程に入ります。

木材の加工~組立まで 6

駒が取り付けられた響板は、固定された作業台の上に置かれたピアノの枠の中にはめ込みます。 響板素材のスプルースは重量が重くないうえ、楽器にはフレームが入っていないため、はめ込みが終了したら3~4人で持ち上げ、台車に乗せ次の工程へ進みます。


フレーム製作から塗装まで 1

フレームは鋳物のため、時間の経過とともに反りが発生します。シーズニングを約半年行い、反りの状態が正常かどうか確認して使用します。 放置すると、右側のように表面が赤く変化していきます。

フレーム製作から塗装まで 2

下地の上にブロンズを拭く作業に入ります。ブロンズを拭き、耐水ペーパーで整え、またブロンズを拭き、という繰り返しを5回繰り返す行うことで、色に深みがでてきます。 すべて人の手で行うため、とても時間のかかる工程です。

フレーム製作から塗装まで 3

フレームを載せます。フレームを吊り下げ、ピアノの中に入れて、ボルトを手作業によって締めていきます。

フレーム製作から塗装まで 4

吹きつけの作業です。ピアノの表面に黒色の塗料を、「吹いて→乾かして」の繰り返し作業を何度も行います。 ピアノの内部は塗料がかからないよう、マスキングで保護をします。


鍵盤アクションから整調整音作業まで 1

ハンマー部分をシャンクと呼ばれる細い木の棒に付けていく作業です。ハンマーを取り付けては、ピアノの内部に入れ、1台1台の微妙な位置を調整していきます。

鍵盤アクションから整調整音作業まで 2

止音する役目の「ダンパー」入れの作業。ダンパーが動く際、上下の動きが滑らかになるか調整しながら行うため、非常に精密さが求められる高度な技術です。

鍵盤アクションから整調整音作業まで 3

整音作業でハンマーに針刺しを行っています。 音を作ることはもちろん、弦にハンマーが正しく当たっているかを確認し、ハンマーの表面をほぐしたり、削ったりしながら、完成させていきます。ベーゼンドルファーの 音色の仕上げの工程で、まさに命が吹き込まれる瞬間です。

鍵盤アクションから整調整音作業まで 4

数々のチェック項目を通過したピアノは、最後にベーゼンドルファーの工場長が最終チェックを行います。 ベーゼンドルファーの工場長は、創業以来、コンサート調律や、整音も行う技術者が担っています。


出荷工程 1

写真はロシアへの出荷です。木枠梱包の場合は陸路での輸送がほとんどです。(日本へは航空便です)
ベーゼンドルファーは世界のどこへ行っても唯一無二の「ウィンナートーン」をお届けするために、出荷地域による製作方法の違いはありません。

出荷工程 2

梱包の内部です。

ベーゼンドルファーは、クラフトマンたちのウィンナートーンを守るプライドと技術の結晶です。