銀座本店 5F 管楽器フロア

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銀座本店 オーボエ メンテナンスガイド

オーボエは管体の材質に天然の木を用いているため、温度や湿度の影響を受けやすい楽器です。急激な温度、湿度の変化は、管体のひび割れや、キィの作動不良を起こすことがあります。今回は山野楽器本店5F管楽器フロアのスタッフが
■調整について
■リペアマンからのメッセージ
■楽器の組み立て方
■楽器のお掃除の仕方
■楽器を割れから守るためには
■保管上の注意点

についてご案内します。楽器の状態が整っていると、演奏もより楽しくなります。正しいお手入れをして、楽器を常に万全な状態にしておきましょう。

 

  • ■調整について

    オーボエは約300の部品を持った複雑な構造の楽器です。ちょっとした温度や湿度の変化でキィやタンポのバランスが狂ってしまいますので、定期的に楽器を調整に出す必要があります。
    可能であれば、2~3か月に一度は調整に出されると安心です。頻繁に出すのが難しい場合でも半年に一度のペースで調整に出すことをおすすめしています。
    銀座本店では、オーボエの修理を月曜日と金曜日に行っています。バランス調整であれば即日のお返しも可能ですが、予約制となっておりますので事前にお電話でのご予約をお願いいたします。

    修理/調整のご案内→こちらから

  • ■リペアマンからのメッセージ

    オーボエは部品が多く、キィの連動も複雑な楽器なので、吹いても吹かなくても時間が経つにつれて全体のバランスが変化してしまいます。
    楽器に付属されているドライバーを使用して、ご自身でネジを調整することはとても危険です。調子が悪いときは、熟練したリペアマンがいるお店に持って行きましょう。
    また、組み立てや分解の際にキィやタンポ、コルクを傷つけてしまうこともあります。楽器を持つ箇所に十分注意しながら、丁寧な取り扱いを心がけてください。楽器に水分を溜めておかないことも大切です。水分が溜まる前にスワブを頻繁に通すと安心です。
    木の楽器は温度や湿度の影響を受けやすいので、定期的に調整に出されることをおすすめします。特に季節の変わり目は楽器のバランスが崩れやすいので、少しでも気になることがあればご相談ください。

    クラリネット、オーボエ、ファゴットリペア担当:安井(リペア歴40年)

  • ■楽器の組み立て方

    オーボエを組み立てる際には、キィに無理な力がかからないようにしましょう。強くキィを握ると、キィやタンポのバランスが狂ってしまいます。
    1.下管とベルを接合します。
    ジョイントがきつい場合は、コルクグリスを塗ります。塗り過ぎに注意しながら、指でやさしく伸ばすとよいでしょう。ベルの下の部分を持ち、下管とベルの接続部分がまっすぐになるようジョイントします。
    2.上管と下管(+ベル)を接合します。
    上管はとくに繊細なので接合に注意します。キィを強く握らず、上管の上の部分を持ち、ベルをお腹で支えつつ、2か所の連結部分がまっすぐになるよう注意してぐっと押し込みます。

  • ■楽器のお掃除の仕方

    オーボエは天然の木を材料としている楽器なので、水分を溜めておかないことが重要です。練習中も頻繁にスワブを通して水分を除去しましょう。
    1.楽器を分解しましょう。
    組み立てた順番と逆の手順で分解します。コルクグリスをつけた場合は、ティッシュやガーゼなどでグリスを拭き取りましょう。
    2.スワブやハネで管体の水分を取りましょう。
    スワブはしわを伸ばした状態で詰まらないように、ゆっくり通します。上管内部の先端はとても細くなっているので、引き抜けないタイプのスワブがほとんどです。無理に引き抜こうとせず、引き戻しましょう。
    ハネは上管に使用します。管内にハネを入れてくるくると回し、水分を散らすようなイメージでやさしく抜きましょう。ハネは消耗品なので、定期的に新しいものに替える必要があります。忘れがちなジョイント部分に溜まった水分も必ず除去しましょう。
    3.タンポに溜まった水分を取りましょう。
    トーンホールとタンポの間に溜まった水分はクリーニングペーパーを使用して除去します。タンポの下にクリーニングペーパを入れて、水分がつかなくなるまでやさしくキィを動かします。特に上管のオクターブキィ周辺は水分が溜まりやすいので注意しましょう。
    4.クロスでキィを拭きましょう。
    クロスでやさしくキィの汚れを拭き取ります。毎日ピカピカになるまで磨く必要はありませんが、指紋や皮脂はキィの変色につながってしまいます。拭く際はキィやパーツを傷つけないように注意しましょう。

  • ■割れから守るためには

    1.急激な温度・湿度の変化を与えないでください。
    ・冷暖房のすぐそばでの演奏や保管
    ・直射日光の下での長時間の演奏や保管
    ・雨の中や湿気の多い場所での演奏や保管
    上記のような環境は管体を傷める原因になりますので極力避けましょう。
    2.楽器は暖めてから演奏しましょう。
    楽器が冷えている場合は手で包むなどして、外側から暖めましょう。息を吹き込んで管内を暖めることは絶対にしないでください。そうされますと管体の内側と外側に急激な温度変化がもたらされ、ひび割れが起こる場合があります。
    3.最初の1ヵ月は1日30分程度の使用にし、徐々に慣らす。
    新品の楽器は水分や温度にまだ慣れていないので、長時間吹きすぎないようにしましょう。
    4.管内の水分はこまめに取り除きましょう。
    練習の合間でも頻繁に水分を取り除きましょう。ジョイント部分は特に水が溜まりやすく、木部およびコルクが水分を吸収し、割れを起こすおそれがあります。また、上管のタンポは水分を取り除くことが難しいので、クリーニングペーパーを使用して必ず水分を取りましょう。特に普段閉じているタンポは、息を吹き込んで内部にたまった水を吹き飛ばしてから、スワブを通すなどして、水分が残らないように注意します。

  • ■保管上の注意点

    1.楽器を使わないときは、ケースに入れましょう。
    温度や湿度の変化はジョイントコルクを収縮、膨張させたり、管体のひび割れの原因となります。休憩のときなども、こまめにケースにしまうことをおすすめします。
    2.濡れたスワブやクロスはケースに入れないでください。
    水分を吸収したスワブをケース内に入れると楽器を傷める原因になります。スワブやガーゼはケースの外で保管しましょう。
    3.楽器を組み立てた状態でトーンホールを下に向けて置かないでください。
    トーンホールを下に向けて置くと水滴がトーンホールからでてきてしまいます。正しくは左手小指レバー側を下にして置きます。スタンドに置くと、水分は管体の下に落ちていくので安心ですが、転倒などには注意する必要があります。

  • 株式会社ヤマハミュージックジャパンにより、管楽器や鍵盤ハーモニカなど息を吹き込む楽器の演奏時の飛沫の飛散状況を可視化する実験が行われました。
    楽器演奏による飛沫の飛散距離と左右への広がりにおいては、くしゃみ、発声と同等以下であることが観測されたとのこと。ぜひご活動の参考にご覧ください。
    こちら(ヤマハミュージックジャパンのサイトへ飛びます。)

【お問い合わせ】
銀座本店5F 管楽器フロア TEL:03-5250-1062
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