銀座本店 5F フルートサロン
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1.『みんなはどうやってフルートを選んでいるの?』
皆さんそれぞれの決め手があると思いますが、実際に吹かれた時の吹き心地や、音色の好みで選ばれる方が多いと思います。
試奏するときは、低音域から高音域までムラなく鳴るか、音のバランスをみて選ぶと良いです。それぞれのモデルで音階を吹いてみたり、曲の1フレーズを吹いてみると、違いがわかりやすいと思います。
経験の少ない方は、軽くて吹きやすく、楽に音が出るフルートを選ばれることがあります。
しかしながら、弱い息で楽に音が出れば、必ずしもベストな楽器とは言いきれません。試奏したときに多少「吹くのが難しいな」と感じた楽器でも、上達し息のコントロールができてきた時に、あなたの理想の音色の楽器になることも大いにあり得ます。
将来を見据えたフルート選びを心がけることも大事なポイントです!
また、自分で吹いている音と人が聴こえる音には、少し違いがあります。
自分でよく鳴っていると感じているフルートであったとしても、離れて聴いてみると、別のフルートの方がよく響いて聴こえることがあります。
試奏の際は、誰かに聴いてもらい意見を聞いたり、誰かが吹いた音を客観的に聴くことも大切ですね。
もしお連れの方がいないときは、スタッフが音色を聴いてアドバイスいたしますのでお気軽にお申し付けください! -
2.『フルートっていくらするの?』
フルートの価格はピンからキリまであります。
フルートサロンで扱っているフルートは、7~8万円ほどのものから、中には高いもので数百万円ほどのものまで!
なぜこんなにも価格に幅があるのかというと、理由はいくつかあります。
その1つは「材質の違い」です。
フルートの材質には、主に 白銅/洋銀、銀、金 が使用されています。
同じ銀色の見た目であっても、白銅/洋銀製 → 頭部管銀製 → 管体銀製 → 総銀製と銀の部分は段階的に増え、銀が使用される部分が増えるほど価格が高くなっていきます。
価格帯はおおよそ白銅/洋銀製が10万円以下、頭部管銀製は10万円台~20万円台、管体銀製は30万円台、総銀製は40万円台~となっています。
金製のフルートとなると、価格は大幅に高くなります。
総銀製以上ともなると軽く40万円を超え、その高価格に驚かれる方が多いと思いますが、その理由には価格相応の音の迫力や響き、そしてなんといっても奥深い音楽表現の幅広さがあるのです。
「それなら、価格が高いものほどよいのでは?」と思われがちですが、材質の重さが加わるほど、吹きこなすための体力や肺活量が必要になってきます。
実際に音をだして今感じる吹き心地と、選んだ楽器で今後どういった音色を出したいかという将来性とのバランスを考えて、選ぶことが大切だと思います。 -
3.『材質によって音が違うの?』
材質によって音は違います。材質の種類は主に、 白銅/洋銀、銀、金、プラチナ、木があります。
白銅/洋銀製は、明るくて軽い音がします。
銀が使われていないため楽器が軽く、音も軽快な印象です。
また、少しの息でもしっかり鳴ってくれるので、小さなお子さまや初めての方にお薦めな材質です。
銀製は、柔らかく深い音色で、吹き込むと響き豊かな迫力のある音となるのが特徴です。
銀が使用されているフルートには、主に頭部管銀製、管体銀製、総銀製があり、銀が使用される部分が徐々に増えていくほど、銀の特徴が活かされていきます。
銀の純度によっても音色の特徴は変わっていきます。
金製は、明るく煌びやかで、倍音豊かな力強い音色が特徴です。
ppの音でも痩せることなく密度のある音で響いてくれます。
金製でも9Kや10Kであれば吹き心地も軽く、体力に自信がない方でも金の音色をお楽しみいただけます。
金の純度(14K、18Kなど)が高くなるにつれ、吹きこなすためにはより一層の体力や技術が必要ですが、メカニズムを銀製にしたモデルもあるので、吹奏感と求める音色のバランスを考えて選ばれると良いと思います。
プラチナは、重厚感あふれた艶のある音色が魅力で、粒立ちが良く、メリハリのある演奏が可能となります。
プラチナを使用したモデルには、銀製にプラチナコーティングを施したモデルや、プラチナが配合されたモデルなどもあります。
プラチナの良さが加わることで、音の密度が高くなり、銀製/金製とは一味違った凛々しさを表現することができます。
フルートの原点ともいえる木製は、奥深く温もりのある音色を持っています。
その表現力は高く、バロックからモダンまで、幅広くその魅力を引き出します。
遠達性にも優れているのでアンサンブルやオーケストラでも多く使用されています。
最もよく使われているグラナディラ材の他にも、モパネ材やココボロ材などさまざまな種類があり、その種類によっても音色のキャラクターが異なってきます。
このように材質によって音の印象が全く違います。
材質の種類は他にもありますので、吹き比べてみると面白いですよ。 -
4.『なんで足部管が短いのと長いのがあるの?』
短い方は「C足部管」といって、最低音が「C」すなわち「ド」の音まで出るものです。そして、長い方は「H足部管」といって、最低音が「H」すなわち「シ」の音まででるものを言います。
一般的な曲を吹く時はC足部管で十分なのですが、中にはH音が出てくる曲もあります。
しかし、H足部管はただH音が出るというだけのものではありません。
管が長くなることで音に安定感がでて、高音域が上ずりにくくなったり、低音も出やすいと感じる方も多いようです。
逆に、C足部管のフルートには持ち味の明るさがあります。
重さのバランスも考えた上で、お好みの方を選んでください。 -
5.『個体差ってあるの?』
フルートを選ぶとき、モデルが決まったら最後に選んでほしいのが個体差です。
同じモデルでも個体差は少なからずあります。
個体差といっても不良品があるわけではなく、個体1本1本、音の性格があるのです。
同じモデルでも、吹き心地や一音一音の印象は少し変わってくると思います。
在庫がある場合は、ぜひ何本か吹き比べてから選んでくださいね。 -
6.『カバードキィとリングキィどっちがいいの?』
どちらが良いということはありません。目的に合わせて選んでください。
「カバードキィは初心者、リングキィは上級者」というイメージがあるかもしれません。
たしかにリングキィの方が、多少音抜けが良いといわれますが、普通にお使いになる分には、カバードキィとそれほど大きな音色の違いはありません。
また、リングキィでないと行えない変え指や奏法もありますが、必ずしも必要なものではありません。
ましてや、無理にリングキィを使うことで、自然な構え方ができなくなってしまったりということもあります。リングキィの穴を塞いでしまうプラグも販売されていますが、多くの箇所をプラグで塞いでしまっては、かえって悪影響となります。
もちろんプロのフルーティストでも、カバードキィを使っている方もいます。
ご自身の手や指の大きさ、使用する目的に合わせてお選びいただくのが良いと思います。
リングキィの中でも、Gキィが前に出ていて押さえやすくなっているオフセットリングキィなどもございます。 -
7.『Eメカって?』
Eメカとは「Eメカニズム」の略称で、「E」というのは「ミ」の音を表します。
もともとフルートというのは、構造上3オクターブ目のミの音が、不安定で鳴りにくい設計となっています。
そこで開発されたのがこのEメカニズム。
Eメカがあることで、3オクターブ目のミの音が発音しやすくなり、跳躍もスムーズに行えます。
現在は国内外問わず、Eメカ付きのフルートが主流となってきています。 -
8.『何年くらい使えるの?』
フルートのモデルや使用状況によって個人差はありますが、基本的には定期メンテナンスをすることで何十年も使っていただけます。
フルートは水分を含んだり外気の影響を受けることでタンポの形状が変化し、音がかすれてしまったり、出にくくなってしまったりすることがあります。
常に良い状態で使うためには、定期的にメンテナンスに出しましょう。
また、約5~6年程使用すると、タンポやパーツの消耗が進み、交換が必要になってきます(使用頻度や状態によって時期は異なります)。
消耗したタンポやパーツを交換し、新品に近い状態に戻す修理のことをオーバーホールといいます。
オーバーホールには、修理期間として1ヶ月から1ヶ月半程度、費用は約7万円前後~(モデルや修理内容によって異なります)かかりますが、また良い状態で数年使っていただくために必要な修理となります。
フルートの寿命はメンテナンスをすることによって伸ばすことができます。
適切なメンテナンスを行って使っていきましょう。 -
9.『フルートのブランドはいくつあるの?』
フルート(ピッコロ、頭部管含む)メーカーは、当店で扱っているだけでも、国内外あわせて、40社以上あります。
フルートのブランド数は管楽器の中でも一番多いんです。
日本には他の楽器と比べ、フルートのブランド数がとても多く、フルート大国ともいえるかもしれません。
日本のフルート製作技術はとても高く、日本のブランドのフルートを使用する海外のフルート奏者が多くいるのは、そのためです。
また海外にも、フルートのブランドは多く、日本にはない製作技術や音色に特徴があり、とても魅力的です。
1人が1本のフルートを造り上げるハンドメイド製法を用いたクラフトマンシップの高いアメリカや、伝統ある技術の継承と、加工に適している貴重な木材資産を使用し楽器造りを行っているドイツなど、さまざまです。
その国の文化や言語といった環境が、フルートの音色に影響してくることもあります。
ぜひ、日本と海外のフルートも吹き比べてみてください。きっと新しい発見がありますよ。 -
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