ヤマノビッグバンドジャズコンテストについて YBBJCの歴史/データ 過去の出場者からのコメント お薦めCD/イベント 重要なお知らせ/Staff Room

 1990年代
立石 一海 (P)
上智大学 ニュー・スウィング・ジャズ・オーケストラ OB
1993年 第24回大会 出場
1994年 第25回大会 出場
ビクターエンタテインメント 洋楽ストラテジック部 ジャズG ディレクター
(第35回大会寄稿)

ビッグ・バンドが私に与えてくれたもの

  中学・高校時代にブラス・バンドに所属し、ジャズと出会い、本格的なビッグ・バンドサウンドに強い憧れを抱いていた私は、1991年上智大学に入学すると、迷わずニュー・スウィング・ジャズ・オーケストラへ入部、それまでフルートを演奏していたが、持ち替えが出来ることもあってテナー・サックスを始めた。
  初めて演奏した曲は今でも決して忘れることはできない。「Orange Sherbert」と「Ja-Da」の2曲。ここで私は偉大なるカウント・ベイシー、サム・ネスティコ・サウンドとの衝撃的な出会いを果たし、ベイシー楽団パブロ時代のアルバムを聴きまくった。『BASIE BIG BAND』と『PLIME TIME』そして『LIVE IN JAPAN, '78』は今でも私の愛聴盤だ。もうひとつ、私の音楽人生を揺さぶる音楽との出会いがあった。私のアイドル、クインシー・ジョーンズが生み出す、ベイシー楽団の芳醇なワインのような極上のサウンドだ。中学1年で「We Are The World」に衝撃を受け、またグラミー賞受賞式でいつもマイケル・ジャクソンの隣にいるクインシーを見て、何てカッコいい男なんだろう!と思っていた。私の音楽プロデューサーやショー・ビジネスへの関心はこの頃から始まっていたのかもしれない。そんな常に時代の最先端を行く彼のルーツが紛れもなくジャズ(その中でもビッグ・バンド・サウンズ)であり、誰よりもベイシーを師として、親として、兄として、心から敬愛していたことを知ったのである。『This Time By Basie』や、シナトラ=ベイシー=クインシーの『It Might As Well Be Swing』『SINATRA AT THE SANDS』は私の宝物である。そんな素敵な出会いがビッグ・バンドを始めたおかげで経験することができた。
 ビッグ・バンド・コンテストには第23回から25回大会までの3回出場した。1年の時の第22回大会は客席から、2日間殆どの大学の演奏を聞き、審査員の方々のコメントをパンフレットに書きとめた。今回この原稿を書くにあたり、過去のパンフを10年ぶりに引っ張り出し、懐かしく眺めたが、この時のメモが面白く、当時のコンテストの熱気と緊張感が一気に蘇ってきた。「8分音符をスウィングさせる為にサックスはハーフ・タンギングを練習しよう」といった丁寧な技術的アドバイスがあると思えば、「譜面吹いてるだけ。何も伝わってこない!」「ジャズを知らなすぎる!楽器持たずに1週間合宿!」などステージに立っている者にとってはあまりに辛辣なコメントもあった。しかし、各大学が15分の短い時間の中に自分たちの持てる力全てを出し切り、評価を受けるなかで、この35年間に今の日本のJAZZシーンを担うプレイヤーたちが多数誕生したことは、本当に素晴らしいことだと思う。
 大学3年で、コンサート・マスターに。楽器もベイシーに憧れピアノに転向。しかし、演奏することは少なく、ほとんど、練習の時も、更にはステージ上でも、皆の前で踊りながら指揮をしていた。(「踊るコンマス」なんて言われていた。)多少、荒削りであってもいい。スウィングするバンドを目指していた。結局、山野では何も起こらなかったけど、ビッグ・バンドでの活動のお陰で、私自身は数多くの音楽仲間と出会い、またピアニストとしてプロ・ミュージシャンたちと共にライブ活動をする機会にも恵まれた。
 その後、ごく自然にレコード業界へ入り、セールス担当3年、J-POP、J-ROCKアーティストの販促担当を6年、そして入社10年目の今年、念願のジャズのディレクターになることができた。現在、熱帯JAZZ楽団、ピアニスト塩谷哲、そしてPrestige、Riverside、Pabloなどの名門レーベル、歴史的名盤の数々を所有するFantasy社の担当として、エキサイティングな毎日を送っている。初めて世に送り出す作品がカウント・ベイシーのパブロ時代のベスト盤。そして今回、熱帯JAZZ楽団が久々にビッグ・バンド・コンテストにゲスト出演。何か深い縁を感じざるを得ない。
 カウント・ベイシー生誕100周年、没後20周年、そしてYAMANO BIG BAND JAZZ CONTEST35回記念、今年は特別な年だ。今年も、そしてこれからも、このコンテストから日本のいや世界の、明日のJAZZシーンいやミュージック・シーンを担うミュージシャンが出てくることを楽しみにしているし、私自身も夢に向かって情熱を持って邁進し続けたいと思う。
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