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CDジャケット美術館

CDジャケット美術館

第4回展覧会〜カラヴァッジョ〜

時代を切り開いた天才画家
ミケランジェロ・メリージ,、通称”“カラヴァッジョ”。バロック絵画を切り開いた天賦の才能を持ちながらも、抑えきれない直情的な性格ゆえに殺人を犯し、逃亡の末、若くして散った悲劇の天才画家。カラヴァッジョの、強烈な表現を用いたその衝撃的な作品の数々と波乱万丈な生涯が多くの人々を惹きつけ、いまやヨーロッパでは、古今の数々の人気画家を差し置いて、最も人気を集める画家になっているそうです。その名を冠する展覧会が開かれると連日大盛況で、その人気ぶりは絶大な知名度を誇るルネサンス3大画家、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエッロをしのぐほどとか。日本においても、21世紀になって、何度かの展覧会が開かれ、注目度も増し、知名度もうなぎ昇りといったところです。画集や関連書籍の出版も後を絶ちません。やはり独自の画風と数奇な運命が人々を惹きつけるのでしょう。第4回展覧会ではこのカラヴァッジョの絵画を音楽とともに取り上げていきます。

波乱万丈の生涯
当時の記録によれば、カラヴァッジョは激情家であり、喧嘩やもめごとは日常茶飯事、怒るとすぐに手が出るという性格だったようです。その気質ゆえに、ついには殺傷事件を起こし、指名手配され、逃亡生活を余儀なくされます。そして灼熱の海岸を徒歩で移動しようとしていた時に熱病に倒れ、若くして命を落とした、とされています。こうして悲劇の天才画家として広まったカラヴァッジョの伝説ですが、実情は、多くのパトロンに庇護されており、なかなかに恵まれた人生を送っていたのでした。そのかわいがられぶりは度を越しており、殺人罪で追われていた身にもかかわらず、匿われたり、画家活動も積極的に行われたりしていました。激情家ではあるのですが、どこか憎めない同情を引く人物だったのかもしれません。もちろん彼の画家としての才能を高く評価していたゆえという側面もあると思われますが。

斬新な表現

さて、カラヴァッジョと言えば、なんと言ってもその画風。当時としては常識では考えられない表現を用いた画風が今でも衝撃的です。特にキアロスクーロと呼ばれる明暗法を際立たせた対比の強い画面構成、きわめてリアルな人体表現、そして娼婦を聖母のモデルとして描くという当時としては破天荒な手法が、存命当時から賛否両論を呼びました。しかし彼の生み出す衝撃的な絵画の数々は、“カラヴァッジェスキ”(カラヴァッジョ派のような意味)と呼ばれることになる多くの追随者を生みました。時代が16世紀から17世紀へ移り変わる、文化史的にはルネサンスからバロックへと移行するその過渡期に、絵画において表現の革命を起こし、次の時代を切り開いた画家だったのです。

そうした彼の芸術とその生涯の詳細は、多くの優れた書籍がありますので、ぜひそれらを参考にしてみてください。特に、日本のカラヴァッジョ研究の第一人者である宮下規久朗さんの「カラヴァッジョへの旅」(角川選書)や最新の研究が取り入れられたコスタンティーノ・ドラツィオの「カラヴァッジョの秘密」(河出書房新社)がお薦めです。

さて、カラヴァッジョの絵画には多くの楽器が登場し、音楽を主題とした作品も多く描きました。そうしたことからか、カラヴァッジョの絵画はよくCDジャケットに使用されます。そうした中からいくつかをご紹介しましょう。

須田純一


CD関連作品

ジャケット  

ジェズアルド:聖土曜日のためのテネブレ・レスポンソリウム集
ザ・タリス・スコラーズ

<GIMELL> CDGIM015

ジャケット絵画:キリストの埋葬 
ヴァチカン宮美術館

ルネサンス後期、いわゆる「マニエリスム」を体現する作曲家ジェズアルドの宗教的作品の代表曲を、世界最高の合唱団ザ・タリス・スコラーズが歌った名盤です。ジェズアルドは貴族に生まれながら、もっぱら政治よりも文化を愛し、特に音楽においては、いくつもの作品を出版するなど、本格的な活動をしていました。音楽を生業としていたわけではないので、誰にこびることなく独自の作風を追求し、当時は禁忌とされていた和音や音階を使用し、斬新な作品を生み出しました。その作品が19世紀以降、再評価され、現代でも高い評価を得ています。また妻を不逞の罪で殺害する(正確には殺害させた、なのですが)、殺人者としての数奇な運命も注目を浴び、その点で同じく殺人者であるカラヴァッジョの生涯と重ねられ、よくその作品のCDに絵画が使用されています。実は、その生涯を見ると、ジェズアルドとカラヴァッジョでは、環境も性格も相当に異なっていることがわかるのですが、これまで禁忌とされていた表現法を用いたという点においては共通項を持っているかもしれません。このテネブレ・レスポンソリウムは、ジェズアルドの作品の中でも代表作としてあげられるもので、ジェズアルド独特の表現が強烈。宗教曲なのですが、厳かな雰囲気とは異なるどこかおどろおどろしささえ感じる違和感があります。落ち着きどころのない和声進行など、聴いていて三半期管を乱されるような感覚に陥ってきます。決して癒しの音楽には成り得ませんが、その独自の魅力にはまったら最後、虜になってしまうこと必至です。ザ・タリス・スコラーズの驚異的かつ完璧な歌唱は、曲をそのまま提示するので、作品の持つ妖しい魅力を際立たせています。ジャケットは劇の一場面のように大きな身振りで感情を表現したカラヴァッジョの傑作「キリストの埋葬」。ジェズアルドの音楽を聴きながら、この絵画を観ていると、なにやらこの悲劇の場面に直面しているかのように思えて来ます。

また同じくレスポンソリウムを収録したイタリアのグループ、アンサンブル・アルテ・ムジカによる歌唱(BRILLIANT BRL94804)も同様にこの絵画をジャケットに用いています(収録作品はザ・タリス・スコラーズ盤とは若干異なります)。こちらの演奏は、さすがにザ・タリス・スコラーズの完璧度までとはいきませんが、より表現力に重きを置いた歌唱となっています。逆に完璧でないからこそ、その隙が、曲の持つ不安感を煽るようでもあります。聴き比べてみると面白いでしょう。

ジャケット  

ジェズアルド 5声のための聖歌集第1巻(ナポリ 1603年)
マリアン コンソート

<Delphian> DCD2016-01

ジャケット絵画:執筆する聖ヒエロニムス 
ボルゲーゼ美術館 ローマ

イギリスの新鋭声楽アンサンブルによる優れた歌唱で聴くジェズアルドの宗教曲集。レスポンソリウムほど有名でないものの、佳作が揃う作品集。レスポンソリウムよりも聴きやすい内容ながら、ジェズアルドのマニエリスティックな作風は随所に聴かれます。ジャケットは「執筆する聖ヒエロニムス」。聖ヒエロニムスは4〜5世紀にかけてのキリスト教の聖職者で、聖書のラテン語訳であるウルガータ訳の翻訳者として知られる人物です。その翻訳者という役目ゆえ、絵画においては執筆する姿で描かれることが多いのですが、カラヴァッジョもその伝統に従って書物に筆を入れる姿で描いていますが、リアルな人体表現、暗闇を背景として人物を浮かび上がらせる明暗法、生と死を対比させるような髑髏とヒエロニムスの頭の形の対比、白い布と赤い衣の色の対比がとても印象的です。特にヒエロニムスの肌や皺など、理想化されていないリアルな表現が逆説的に聖性を増すというカラヴァッジョ独自の絵画と言えるでしょう。

ジャケット  

モンテヴェルディの時代
さまざまな演奏家

<RICERCAR> RIC107(6CD)

ジャケット絵画:エジプトへの逃避途上の休息 
ドーリア・パンフィーリ美術館 ローマ

絵画においてバロック芸術を切り開いたのがカラヴァッジョならば、音楽においてバロック芸術を切り開いたのがモンテヴェルディ。同時代に生きた二人の芸術家を結びつけるジャケットです。トリミングして使用されています。逃避する聖家族幼子イエス、マリア、ヨセフが主役のはず、のこの画題を、天使が音楽を奏で、聖家族を癒すという場面に設定し、ヴァイオリンを弾く天使を主役にするという大胆な構図。美しく艶やかな天使の後ろ姿、寝入るマリアをよそに、魅了されたように楽譜を広げるヨセフ。その官能的で甘美な印象が宗教画らしくなく、革新派カラヴァッジョ面目躍如となる極めて美しい絵画です。カラヴァッジョと同時代の音楽を集めたセットのジャケットとしてこれ以上ないものでしょう。非常に豪華な書籍のような装丁であり、見開きにもカラヴァッジョの絵画(「聖マタイの召命」と「女占い師」の一部分)が印象的に配置されています。モンテヴェルディの作品の他、同時代の音楽がレーベルの垣根を越えて集められており、聴きごたえ十分です。ルネサンスからバロックへと移り変わる音楽をカラヴァッジョの絵画と一緒に楽しめます。

ジャケット  

モンテヴェルディ 聖母マリアの夕べの祈り
ウィリアム・クリスティ指揮 レザール・フロリサン

<WARNER CLASSICS> 9029596210(2CD)

ジャケット絵画:キリストの捕縛 
アイルランド国立美術館

世界有数の美術館であるロンドン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する絵画とともに、音楽を楽しめるというCDシリーズの1つとして発売されたアルバムです。ジャケットは、
1990年にアイルランドの修道院で発見され、ロンドン・ナショナル・ギャラリーに持ち込まれ、入念な鑑定が行われ、真筆とされることとなったいわくつきの作品。カラヴァッジョならではの表現力がいかんなく発揮された傑作と呼べるでしょう。現在の所蔵はアイルランド国立美術館ですが、鑑定がナショナル・ギャラリーで行われたからこそ、ここでジャケットとして使用しているのでしょう。元々はロンドン・ナショナル・ギャラリーで開催された展覧会のサウンドトラック的な意味合いで製作されたようです。音楽は、モンテヴェルディの代表作「聖母マリアの夕べの祈り」。輝かしいこの音楽と暗闇から不穏に浮かび上がるカラヴァッジョのこの絵画は、ずいぶん印象が異なるのですが、どちらも時代を切り開いた革命的芸術家という共通項がありますので、このCDが作られたのでしょう。

ジャケット  

ヴィヴァルディ四季
シギスヴァルト・クイケン&ラ・プティット・バンド

<ACCENT/キングインターナショナル>KKC5140

ジャケット絵画:果物籠 
アンブロジアーナ絵画館

古楽界のレジェンド、クイケン兄弟の一人、ヴァイオリンのシギスヴァルト・クイケンが自らのグループを率いた2006年録音の四季。「春」「夏」「秋」「冬」で独奏者が異なり、独自の表現で四季を演奏した話題盤でした。また併録のチェロ協奏曲では、当時使われていたという”肩のチェロ”ヴィオロンチェロ・ダ・スパラをシギスヴァルト自らが演奏。独特の音色が興味深いものです。カラヴァッジョの静物画の傑作「果物籠」を用いたジャケットも印象的です。カラヴァッジョの写実的表現力の極致とも言える傑作で、果物の瑞々しさだけでなく、腐った部分や葉が枯れた部分などまでリアルに表現しています。いくつもの果物と籠の集団肖像画のように描き分けられていて、当時から傑作として称賛されていた作品でした。

ジャケット  

ジョヴァンニ・ギッツォロ:マドリガーレ集第2巻(1614年)
ロベルト・バルコーニ&ファンタジアス

<BRILLIANT>BRL94834

ジャケット絵画:合奏(音楽家たち)
メトロポリタン美術館 ニューヨーク

現在では忘れられた作曲家であるジョヴァンニ・ギッツォロは、1580年ブレシア出身のフランシスコ会修道士。修道士でありながら、優れた音楽家で宗教音楽よりも世俗音楽を得意とし、マドリガーレ集を出版していました。彼のマドリガーレは、モンテヴェルディやディンディアといった優れた先輩作曲家たちから影響を受けたもので、情念表現は聴きもの。この貴重な作品を録音してくれたのは、イタリアの新興古楽アンサンブル、ファンタジアス。優れた歌手として様々なグループで活躍するイタリアのカウンターテナー、ロベルト・バルコーニが2000年に創設したグループで、ここではテオルボやハープ、チェンバロを加えて表現力豊かにギツォッロの魅力的な音楽を聴かせてくれます。ジャケットにはカラヴァッジョの若き日の作品「合奏(音楽家たち)」が使われています。画面の構成力はまだまだ練れていませんが、布の材質の質感の表現、楽器(リュートとヴァイオリン)や楽譜、ぶどうの緻密な描写はその後のカラヴァッジョのリアルな表現を想起させるものです。

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