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村田陽一Big Band CD&スコア発売記念
村田陽一氏によるビッグバンド・サウンドメイキング
徹底解説&ミニライブ

取材日:2017年6月17日(土)
銀座山野楽器 本店7F
イベントスペースJamSpot

トロンボーン奏者、作編曲家として日本のジャズ、ポップスシーンを牽引し続ける、村田陽一氏がリーダーを務める「村田陽一 Big Band」のアルバムとスコアが発売されました。
その発売を記念して、「村田陽一氏によるビッグバンド・サウンドメイキング徹底解説&ミニライブ」を開催しました。

【サウンドメイキング解説&ミニライブ】
今回発売された「村田陽一 Big Band」のアルバムとスコアはアマチュアビッグバンドや学生ビッグバンドにおいてもレパートリーの一つになるようにと書かれた作品となっています。今回のイベントはそのうちの3曲を題材にモデルバンドの演奏、村田陽一氏の実演を交えながら解説をするという形式で進められました。モデルバンドにはYAMANO BIG BAND JAZZ CONTESTでもおなじみの早稲田大学ハイソサエティ・オーケストラ(以下HSO)を迎えました。

「Manteca」
ディジー・ガレスピー作曲で、ラテン調なリズムが特徴的な曲です。 演奏者が気を付けるポイントとして ・頑張って吹き過ぎないこと ・細かい刻みのリズムは音符を少し長めにとること ・あいまいなリズムは細かい音符を頭でしっかり考えながら演奏すること などが挙げられました。基本的なポイントですが、意外と実践するのが難しいのではないでしょうか。 アレンジ方法ではまず曲の全体を見ることの重要性を解説していただきました。例えばこの曲では形やテンポは変えずに、テーマ後ろのバッキングやハーモニーを1回目と2回目で変えることで雰囲気に変化を与えています。実際にピックアップして聴いてみると雰囲気の変化がしっかりと感じられました。また、誰が演奏するのかを考えることの大切さとその上でさまざまなブレンドを考えることの面白さも解説していただきました。

「The Duke」
デイブ・ブルーベック作曲で、デューク・エリントンのために作られた名曲です。 この曲ではジャズの要素とクラシックの要素が入り混じったアレンジになっています。この違いは、HSOのトロンボーンセクションによる実演、氏による解説から顕著に感じられました。また、良いアレンジとは、メロディーでないパートがメロディアスであり、コードの運びが見えるものであるというのはまさにこの曲のアレンジからも納得の解説でした。 演奏者の気を付けるポイントとしては、 ・ユニゾンでは基本的にビブラートをかけないこと ・短い休符は休みではないということ などが挙げられました。 また、ここでビッグバンドの並びにおける合理性について解説していただきました。なぜバストロンボーンとバリトンサックスが前後で並んでいるのか、なぜリード奏者がセクションの真ん中に位置するのかなど、とても論理的な解説に会場のお客さまも納得のご様子でした。

「Havona」
ジャコ・パストリアス作曲で、コンテンポラリーな曲調の曲です。 この曲では音を重ねていくベルトーンについての解説をしていただきました。ベルトーンの場面ではビブラートはしないことです。音にアタックをつけて引くイメージで演奏することで、次の音へうまく繋がりベルトーンがきれいに聞こえます。HSOの実演から、このポイントを実践することでベルトーンがうまくいくことは明白でした。そして、重要なポイントとして、演奏中にチューナーは見ないということが挙げられました。チューナーを見ながらの演奏では、音楽に集中できません。また、音楽をする上では正確な音程よりも、周りの音を聴くことが良いアンサンブルにつながります。チューナーばかりに気を取られて肝心の音楽に集中できなければ、良い音楽は生まれないというのは考えてみれば納得の解説だったのではないでしょうか。

休憩後には会場のお客さまからのたくさんの質問に対し、丁寧かつ大変わかりやすく解説をしていただきました。そして最後には村田陽一氏をフィーチャーしてのミニライブを実施しました。氏の迫力のあるサウンドと歌心に会場内は感動の嵐であったことは言うまでもありません。 今回のイベントは、ビッグバンドプレイヤー、また、アレンジャーにとって今後の指針となるような充実した濃い内容となったのではないでしょうか。

■村田陽一プロフィール
トロンボーン奏者、作編曲家、プロデューサー
1963年7月25日静岡県静岡市生まれ
1991年ファーストソロアルバムをリリース。その後のソロアルバムではデヴィット・サンボーン、マイケル・ブレッカー、ランディ・ブレッカー、ボブ・ミンツァー、フレッド・ウェズリー、タワーオブパワー、マーカス・ミラーら国際的なミュージシャンがゲストとして参加。2010年にはイヴァン・リンスとのコラボレーションアルバムをリリース。海外遠征もモントルージャズフェスティバル、JAVA JAZZ(インドネシア)出演をはじめ多数。
編曲家としてポップスエリアでは、椎名林檎、ゆず、槇原敬之、布袋寅泰、さかいゆう、ジャズエリアでは渡辺貞夫BigBandなど多数。吹奏楽エリアにおいても作品提供が多く、エヴァンゲリオンの吹奏楽版編曲、航空中央音楽隊、東京佼成ウインドオーケストラ、2014年バンド維新などに委嘱作品を提供した。
2016年リオオリンピック閉会式でのフラッグハンドオーバーセレモニーで使われた楽曲の編曲。演奏を担当。

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