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劇団四季

山野
13年振りのアルバムが8月19日遂に発売されますね。
佐藤

この13年の間で参加していた各トリビュート作品への提供曲がいくつかありまして、最初は「それを集めたアルバムを出しませんか?」とオファーが2年ほど前にありました。それならSALT&SUGARとして今どういう音楽を生み出せるのかというところも表現できる作品にできるならアルバムを制作したいと思い始め、去年の中頃に具体的な話になっていき、スケジュールを調整し、曲を作り、レコーディングは今年の1月からという流れでした。
もちろん、ライブ活動は毎年しっかりと続けていたのですが。

塩谷 そういうことです(笑)。大阪での竹善のイベント(Cross your fingers)と、東京での僕のイベント(Saltish Night)で毎年顔を合わせているので久しぶりという感じは全くありませんね。いつの間にか前作から13年経っていたという感じです
佐藤 今までライヴでは『来年こそアルバム作りたい』と話していましたが、それぞれ各自の活動も有難いことに充実していますので、気がついたら13年という感じです。
塩谷 出すなら、ちゃんと自分たちか納得いくアルバムを出したいと思っていました。
山野 今回はスタジオ盤とライヴ盤の2枚同時発売ですね?
佐藤 SALT&SUGARの音楽的観点から、久しぶりでもあるし今回はこの形がもっとも僕ららしいと思います。
山野 まずは“スタジオ盤”ですが、オリジナルの内2曲は詞先で、それに相手が曲を書いた、と伺っていますが?
塩谷 ファーストアルバム「CONCERTS」では互いの曲に詞を付けたのですが、今回はその逆をトライしてみようと。詞先での言葉の強さ、つまり初めに言いたいことがハッキリとあって、それにメロディーを付けていく、そのことで曲としてより強く伝わるんじゃないか、と考えたんです。竹善も普段は曲先で作ってますからね。新しいことにチャレンジすることで、一層僕らの間で化学変化が起きるんじゃないかという期待もありました。
山野 1曲目の「バラと少年」の中に出てくる“僕”は塩谷さんですか?
塩谷 これは、オルケスタ・デ・ラルスで中南米に行った時に感じたことを書きました。
山野 塩谷さんが詞先ということを言った時に、竹善さんはどう思われましたか?
佐藤 面白いと思いましたよ。いつかはやってみたいと常々思っていたし。SING LIKE TALKING では千章が曲先タイプなので、ソロになってもその流れで曲先の世界に慣れているので(笑)。今回は SALT から具体的な提案があったのがいい踏ん切りが付きました。やってみたら、何倍も精神的に収穫があった。自分では出てこないようなメロディーとか曲のスタイルとか。例えば「バラと少年」のようなレゲエ・タッチの曲は書いたことがないですし。
塩谷 分かる、分かる。
佐藤 詞が現前とあるので、そこに乗っかっていけばその言葉が明確にしている部分、別に照れずに「バラと少年」のサビ(“幸せって”♪)の部分も、ともすれば童謡的なメロディー(笑)の流れに迷いなく乗っけていくことも出来たし、今後、曲先で書くときも思い切りの良さとか、自由があるかもしれないと思えるきっかけになりました。
山野 今回の作品で井上陽水の「少年時代」が収録されています。竹善さんの「ウタヂカラ〜CORNERSTONES 4」でもSALT&SUGARとして収録されてましたね。
佐藤 今回は、あの音源にチェロを加えました。
塩谷 あの音源を聴いていて、どうしてもチェロの音が聴こえてきてしまったんです。まぁそのままでも悪くはないけど、聴こえてきちゃったものはしょうがない。ここに弦の音が入ることによって自分の思うSALT&SUGARの新作アルバムとして完結しました。そういえば13年前の「CONCERTS」でも「Wait For The Magic」で後からストリングスを入れましたね。あれもどうしても聴こえてきてしまって・・・。
山野 それってピアニストの発想なんですか?
塩谷 ピアニストにも色々いますが、僕はピアノを他の楽器の音をイメージしながら弾くタイプなんですね。ピアノってすごく音域が広く、ティンパニーや大太鼓がドーンと響く迫力ある重低音から、チェレスタやハープのキラキラしているような高音まで、奏でる表現によって音色が変えられるんです。それをイメージしながら弾くと全く音が変わってくるんですよ。それをいつも表現したいなと思いながら弾いています。
山野 竹善さんもキーボードを弾きますが、弦の音が聴こえてくることはありますか?
佐藤 僕には無いですね(笑)。キーボードを弾きながら弦が聴こえてくるというよりは、“音の並び”という部分で自分の歌声が和音の動きと絡みあって、気持ちいいかでいっぱいいっぱいですね。

山野 もう1枚のライヴ盤は、97年から毎年12月に行われているイベント「Saltish Night」のライヴ音源から幅広い選曲です。その中で1曲目に「Diary」を持ってきていますが?
塩谷 「Diary」は確か3回分(3年分)の音源があって聴き比べたんですが、作って間もない、「SALTISH NIGHT」最初の年でもある97年の演奏が一番イキイキと聴こえたんです。他の年のテイクも良かったんですが、やはり曲が生まれた時の新鮮さ、エネルギーがこのテイクにはありました。だからこの曲を1曲目にすることで「ここからスタートしたんだ」ということを言いたかったんです。
山野 ビリー・ジョエルの「ピアノ・マン」が収録されてますが、竹善さんは何を意識して歌いましたか?
佐藤 ビリー・ジョエルは中学時代からずっと好きで聴いています。今でもビートルズ、クイーン、ビリー・ジョエルは自分にとって大きな存在で、もう日常的というか、その人の曲を歌う時はその人の表現も含めて1つの曲という感覚です。
山野 大変な影響を受けられたんですね。また、塩谷さんのピアノは流れるような感じですが。
塩谷 ビリー・ジョエルのピアノは個性的で色が濃いんですよ。サウンド、グルーヴ感、曲の持つパワーが元々ある楽曲だと思います。ただ何も考えずに、自然と曲に導かれるように弾きました。とても素直に出来たテイクだと思います。
山野 確かに聴いていると楽しさが伝わってくるテイクですね。他の曲もヴォーカル、サウンド、曲としての完成度をとても感じます。
佐藤 先ほどSALTが言ったように、ピアノとヴォーカル以外にも音が聴こえるんですよ。だからサウンドにも広がりがあるんだと思います。でなければ、僕が弾き語りしたのと同じですから。
塩谷 ピアニストとしてはどんな曲でもベース、ドラムが入ればサウンドが安定して弾きやすいと初めは思っていましたが、自分がドラムもベースも感じて演奏すれば、ピアノだけでも充分成立するんですよね。
佐藤 これって非常に微妙で、意識してピアノを弾くことで変わってくると思うんです。“ピアノだけだけど”と“ピアノだけだから”では全く結果は正反対なんですよ。
塩谷 最近は、自分にグルーヴ感があればそれが伝わるんだなと思いました。無理に盛り上げてガンガン弾かなくてもいいし、二人でも寂しくないですよ。むしろ自由です。
山野 竹善さんはポップスのフィールドでいろいろな音楽を吸収していますし、塩谷さんはジャズのフィールドでクラシックやポップスも吸収しています。お二人とも幅広い経験をうまく吸収し、そのお二人が揃うことで「1+1=3以上」のユニットになると感じます。それぞれ別のアーティストと組んだら、どうなるんでしょうね?
お二人 全く別のユニットになると思いますね。

山野

9月からツアーが始まりますが、ツアー・タイトルが『“13年ぶり”て、あなた』。
現在、情報誌Jamspotに連載されているコラムのタイトルも「まずは還暦まで」。こちらが全く予想していなかったタイトルにビックリしました(大爆笑)。

塩谷 僕、予想を裏切るのが好きなんです(笑)。
佐藤 タイトル『“13年ぶり”て、あなた』の「て」の前に「っ」が入っていないのが結構ポイントなんですよ!
山野 今回のツアーの見どころ、聴きどころは?
塩谷 それは、竹善さんがどれだけ太っているかでしょう!それをちゃんと見届けてほしいです(笑)。
佐藤 今より体重を落とします。この写真のように!(笑)
塩谷 (今回のプロモーション用に撮られたSUGARの写真を手に取り) この写真本当にSUGAR???
佐藤 絶対、ツアー中は太っちゃいますから(笑)
塩谷 そう、ツアーで回ると美味しいものいっぱい食べちゃうからね。
山野 塩谷さんは一緒に行動して太らないんですか?
塩谷 僕は気をつけていますから(笑)。
佐藤 さいわい僕はヴォーカリストなので、2日続くときは、飲まないで軽く食べて帰ります。これがヴォーカリストでなければ大変なことになっていますよ。(笑)
山野 話は変わりますが、塩谷さんは歌わないのですか?
塩谷 そうですね、出来る限りチャレンジしてみたいとは思いますがねぇ。ちゃんと聴かせられるものが出来れば・・・。
佐藤 コーラスは二人以上いれば和音が作れますが、二人だとデュオやハモリだけになりますから。
塩谷 それはきついな〜。
山野 いっそお二人で掛け合いもいいのでは?
塩谷 それはもっときついです(笑)。
佐藤 最初のツアーで、二人でエリック・サティの曲をピアノで弾きましたが、そういう企画で何かSALTに歌ってもらうとかいいんじゃない?
山野 是非、そういう企画を盛り込んでくださいよ!
塩谷 余興なら…。う〜ん、やっぱりピアノを弾かしてくださいよ(大爆笑)。
山野 もうツアーの選曲は決まったんですか?
佐藤 まだ漠然とですが、リリースした作品からも演奏すれば、初めて演奏する曲もあると思います。今回のツアーの最後は沖縄桜坂劇場ホールですが、すごく雰囲気がある会場で、全会場の中で一番SALT&SUGARの雰囲気に合う場所かもしれません。

山野

ツアー前に、当社の銀座本店でイベント(アルバム2タイトル同時予約購入者を先着でご招待)も行われるので、そちらもよろしくお願いします。
最後にファンの方々にメッセージをお願いします。

佐藤 山野楽器さんにいらっしゃるお客様に、今回のアルバムはきっと気に入っていただけると思います。色々な世代の音楽がありますが、僕らが新しいことに挑戦しつつ、この齢まで続けてきたことも踏まえて、僕らの音楽が伝わればと思っています。そういえば、山野楽器さんのチャートをみると色々な世代の方が元気になるような幅広いラインナップですよね。
塩谷 本当に、山野楽器のお客さんは音楽好きな方が多いと思います。僕がソロで活動している分野はインストだしジャズに近く、爆発的に売れるジャンルではありませんが、僕が音楽にかける気持ちは年々強くなっています。ソロ活動でもお世話になっており、今回もSALT&SUGARとしてより多くの人に音楽をアピールできるチャンスを頂いてとてもうれしいです。まずは還暦までと謳ってますが、その先も末永く続けていきたいです。それぞれが違ったところで音楽を続けながらも、二人が新しい音楽を作っていくことはとても楽しいことだし、5年後どうなっているかわかりませんが、絶対に面白いに違いない。それが音楽をやる楽しさだと思いますし、それを伝えていきたいなと思います。
佐藤 山野楽器さんは店頭でいろんなジャンルを取り上げています。これはアーティトにとって励みになります。昭和20〜30年代は歌謡曲や演歌やジャズなど、それなりに隔たり無く楽しんでいたけど、音楽シーンではいろんなジャンルが混ざり合いポップスに近くなる反面、聴き手はだんだん細かくジャンル分けされていった。でもまた原点に戻ってきている流れが若いアーティストにもあります。そういう周り回って本来の分け隔てがなくなる流れの先駆けを、端的に山野さんの店頭を見ているとすごく感じるんです。そのような流れの中で、SALT&SUGARはいろんな音楽の素晴らしさを分け隔てなく感じ続けながら、オリジナルを作ったりライブやカバーの選曲をしています。なんか、同志的な空気を山野楽器の展開スタイルにはすごく感じます。今回のSALT&SUGARの作品がそういう思いで作っているんだということが、お客様に伝わるとうれしいです。
(2009.07.09 ユニバーサルミュージックにて)


  ↑「JamSpot誌」掲載の第1回から第6回はこちらから

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