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CDジャケット美術館

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第2回展覧会〜ティツィアーノとヴェネツィア派

第2回展覧会は日本でも近年人気の高いティツィアーノとヴェネツィア派を取り上げます。


水の都「ヴェネツィア」の文化
現在でも世界有数の観光地であるイタリアのヴェネツィアは、7世紀からナポレオンに降伏するまでの約1100年もの長い間、独立を保った実にユニークな都市国家でした。地中海貿易によって栄えた海洋国家であったヴェネツィアは、経済的側面だけでなく、文化的側面でも、ヨーロッパだけでなく、当方の様々な文化も取り入れた独自の発展を遂げました。フィレンツェ、ローマと並ぶ文化芸術の中心都市となったヴェネツィアでは、ルネサンス時代にはヴェネツィア派と呼ばれる、フィレンツェやローマとは異なる特色を持つ美術様式が独自の発展・確立され、やがてヨーロッパ中に影響を与えるようになります。その中心にいたのが、巨匠ティツィアーノ・ヴェチェリオ(1488/90−1576年)なのです。

絵画
色彩のティツィアーノ
現代の日本でも大きな人気を誇るティツィアーノ。今年2017年にも日伊国交樹立150年を記念した展覧会「ティツィアーノとヴェネツィア派」が開催され、大きな話題となりました。そこではティツィアーノの代表作とされる「フローラ」「ダナエ」といった名作が出品されるなど、近年では日本にいながらにして、ティツィアーノの名作を鑑賞することが増えてきています。
そんなティツィアーノの特色といえばなんといっても色彩。輝かしいまでの色使いは、存命当時から賞賛の的でした。フィレンツェやローマの芸術が素描(disegnoディセーニョ)を基礎とする明確な線描と明暗による立体感、合理的な空間構成が重視されていたのに対し、ヴェネツィアでは明るく大胆な色彩(coloreコローレ)と自由で伸びやかな筆致、柔軟な空間構成が好まれました。水面の光の反射を映し出すような鮮やかな色彩感覚は、ヴェネツィアという水の都ならではなのかもしれません。


圧倒的な名作「聖母被昇天」
ヴェネツィアのサンタ・マリア・グロリオーサ・デイ・フラーリ聖堂にある「聖母被昇天」(1516−1518)はティツィアーノの名声を一気に高めた傑作です。大きな身振りの人物像、輝かしい色彩、強烈な明暗法を用いたドラマティックな描写は、それまでのヴェネツィア絵画の常識を塗り替え、圧倒的な存在感で鑑賞者に迫ります。ティツィアーノはこの作品の高い名声により、ヴェネツィア公式画家となり、その後半世紀に渡りヴェネツィアの、ひいてはヨーロッパの画壇に君臨することとなるのです。
さて、それでは少しこの絵画の内容に触れてみましょう。主題は聖母被昇天。自ら天に昇ったイエスと異なり、聖母マリアは神や天使たちによって天に引き上げられるため、被昇天(昇天させられる)となるのです。その後マリアは、天で神より戴冠され、天の女王となるとされています。この主題を扱った作品は、それまでは主に被昇天と戴冠が一緒に描かれ、中心は玉座に座る聖母マリアを描いた静的な構成でした。そうした伝統的な描写から脱却したティツィアーノは被昇天にスポットをあて、それを聖母マリアが天に引き上げられていく様を大きな身振りと輝かしい色彩によって、まさに今目の前で起こっていることのように劇的に提示することで、鑑賞者を圧倒する画期的な作品を生み出したのです。その後の影響力も含めてこの作品がヴェネツィア絵画の最高傑作とされる由縁なのです。


ティツィアーノと音楽
ティツィアーノ、ひいてはヴェネツィア派絵画の色彩豊な絵画は「音楽的」と称されています。それ故か、CDのジャケットにもヴェネツィア派の絵画が用いられることが多いようです。特にヴェネツィア派の絵画が使用されることが多い、ルネサンス・バロック時代のヴェネツィア音楽のアルバムをいくつかご紹介しましょう。ヴェネツィアは音楽都市としても傑出していました。どれも音楽と絵画が呼応していたヴェネツィアをCDで満喫できる素晴らしい内容です。

須田純一


CD関連作品

ジャケット  

アドリアン・ヴィラールト:「聖母マリアの夕べの晩課」(1550)
ディルク・スネリング指揮カピーリャ・フラメンカ ヨリス・ヴェルダン(オルガン)

RICERCAR(マーキュリー)MRIC325

ジャケット:ティツィアーノ「聖母子と聖ステパノ、聖ヒエロニムス、聖マウリティウス」
(ウィーン美術史美術館)

ティツィアーノの一つの特徴ともいえる美しい聖母マリアとふくよかでかわいらしい幼子イエスが画面向かって左に描かれています。その柔らかな造形と鮮やかなマリアの服にも注目です。マリアの顔がわが子を見守る母の慈愛に満ちた顔ながら、少し憂いが見られるのはイエスのその後の受難を思ってのことでしょうか。その右には、殉教者を示す棕櫚の葉を持った聖ステパノ、聖書のラテン語訳、いわゆるウルガータ訳の翻訳者として知られるため書物を持つ聖ヒエロニムス、キリスト教徒の戦士であったので鎧を身に着け、槍を持つ聖マウリティウス(このジャケットではトリミングされているためよく見えませんが)が描かれています。それぞれ青年・壮年・老年を示すように年齢が描き分けられていて、なにやら示唆的です。このアルバムにはほとんどティツィアーノと同時代にヴェネツィアで活躍したアドリアン・ヴィラールトの教会音楽が収録されています。ヴィラールトが残した曲集と同時代の作曲家のオルガン作品、グレゴリオ聖歌で、「聖母マリアの晩課」(夕べの祈り)を構成しています。フランドル出身のヴィラールトはヴェネツィアの象徴であるサン・マルコ聖堂の楽長として活躍しました。サン・マルコ聖堂の特異な聖歌隊配置を生かした多重合唱技法を用いた作品は後のヴェネツィア楽派のスタイルを確立とされています。ルネサンスの精巧なポリフォニーを男性声楽アンサンブルの美しい歌声と16世紀製作のオルガンの音色で楽しめる一枚です。その演奏はCDジャケットの静謐でありながら色彩豊かティツィアーノの画面とも呼応しているかのようです。「聖母マリアの夕べの祈り」といえばモンテヴェルディの1610年の作品がすぐに思い出されますが、それよりも半世紀以上前にサン・マルコ聖堂で鳴り響いていた音楽はこのような音楽だったのです。

ジャケット  

クラウディオ・モンテヴェルディ:「聖母マリアの夕べの祈り」(1610)
フェデリコ・バルダッツィ指揮アンサンブル・サン・フェリーチェ

BRILLIANT BRL95188(2CD)

ジャケット:ティントレット:「聖母の戴冠」

ティントレト(1518−1594年)はティツィアーノの30年ほど年下の画家で、ヴェネツィア派の代表格の一人。ティツィアーノの色彩感覚や大胆な画面構成をより発展させ、奇抜と思われるほどの劇的な大画面の作品を多数描き、名声を博しました。ティツィアーノの作品が明るく輝かしい画面なことに対して、ティントレトの作品は暗めで、不穏な空気さえ漂っています。また均一・均等を嫌うかのような構成と素早い筆致で、動きのある劇的な画面を作り上げました。次のバロック時代を先取りするようなティントレトの作風は、同じヴェネツィア派を代表する画家でありながら、ティツィアーノの作風とはかなり異なる印象を持つことでしょう。このジャケットに使われた「聖母マリアの戴冠」は、ヴェネツィアの総督の館であったドゥカーレ宮殿に描かれた「天国」という作品の基になった作品です。渦巻くような天国の描写、円形に取り巻く数多くの人物像、鑑賞者を取り込んでしまう圧倒的な画面構成は、ティントレットならではのものです。ここに収録された音楽はモンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」。ルネサンス音楽からバロック音楽への転換点となる音楽史上の最重要作品の一つです。様々な様式が詰め込まれた大胆極まりない曲集で、その圧倒的な音楽に力に鑑賞者は一気に取り込まれてしまいます。ヴェネツィアのサン・マルコ聖堂で鳴り響いたというこの音楽を聴いた当時の聴衆たちはどれほど驚いたことでしょうか。さて、録音数多い傑作ですが、このイタリアの気鋭のグループによる録音は、任意で打楽器を加えた画期的な演奏で、ただでさえ湧き出るような熱気を持ったこの音楽から、さらなる熱気を噴出させています。ティントレットの作品ともマッチする圧倒感を楽しんでいただきたい録音です。

ジャケット  

レコルダーレ・ヴェネツィア(ヴェネツィアを思い出せ)〜ヴェネツィアの器楽作品集
インゲボルク・クリストフェルセン(リコーダー)&バロッカネルネ

LAWO LWC1114

ジャケット:ティツィアーノ「人生の三段階の寓意」
エディンバラ、スコットランド国立美術館

ジャケットにはティツィアーノの「人生の三段階の寓意」が使用されていますが、ここでは絵を反転させてトリミング、そして男性の腕にこのアンサンブル「バロッカネルネ(BAROKKANERNE)」のロゴ・マークであるBの文字が加えられています。裏側のジャケットには同じ絵画の一部である眠るプットーが採用されています。またCDの見開き部分とブックレットには、18世紀のヴェネツィアの景観画家カナレット(1697~1768)の「サン・シメオン・ピッコロ教会のあるカナル・グランデ」が、同じくブックレットの中に18世紀イタリアの最大の画家と呼ばれるティエポロ(1696-1770)の、野外での舞踏会の様子を描いた「メヌエット」という絵画が掲載されています。まさにヴェネツィア絵画尽くしといった凝ったアートワークです。CDの内容は17世紀から18世紀にかけてのヴェネツィアの器楽作品集で、音楽でヴェネツィアといえば一番に名前が挙がるあのヴィヴァルディの有名なリコーダー協奏曲「ごしきひわ」も冒頭に収録されています。ノルウェーのピリオド楽器アンサンブル、バロッカネルネが1985年生まれの若き俊英リコーダー奏者インゲボルク・クリストフェルセンと共演しています。ヴィヴァルディの作品を中心にしながらも、アートワーク同様に凝った選曲と優れた演奏でヴェネツィアのバロック音楽の技巧的な作品を楽しませてくれます。

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